森に魚を咥えたニャースが一匹
行き止まりになるまで逃げ続け
ついに飯にありつけた
そう思ったに違いない
が―

ガサッ…

真上の木から何かが落ちてきた
その何とは人であり、落ちたのではなく降りたのであった

第四十四話 捕獲!

「みぃつけた!」

ビクッっとニャースは体を振るわせた
「短距離走なら町で一番だったよ…お魚返しなさい!」
自慢ついでに返却の要求
が、そのニャースはじりじりと後ろに下がる

ダッ!

真横に向かって走り出した


ズデ…

いきなりずっこける
危うくミキもこけそうだったが、何とか体制を持ち直し
「な〜にやってんの…」
そのニャースに近づいた
そのニャースは良く見ると首輪がついていた
「・・・・捨て猫?」
腰を落として聞いてみる
別に『経験値使い果たしてまで人語を覚えた』ニャースでもないので
首を振って応答した
答えは『YES』
そっか…
そういうと立ち上がった
「ねぇ…私の友達にならない?」
そうたずねた
さっきも述べたようにミキは困っている人は助けないと…
そういう精神も身についている
ニャースが同じように首を振って応答する
答えは…

「YES」


第四十四点五話 戦闘!

「待て、コラァ!」

はぁ…はぁ…
やっと追いついた…

男が振り返り、ボールを構えた
同じようにシンも唯一持ってきたボールに手をかける
「イケ!ほうす!」
言葉の単調さからして異国からスカウトされた人だろう
ほうすとよばれ、中から出てきたのはギャロップ
陸上でも上位のスピードを持つ
「アテム!行け!」
アテムと呼ばれたポケモン、ソルロックはその姿を現す
「トッシンダ!」
「突進!!」
双方おなじ技を繰り出す

ガギィン…

異様な音を発し、二匹がぶつかる
ほうすは圧倒的に力負けし、吹き飛ばされる
「クッ…イケェ!」
男は三つのボールを投げつける
それぞれ別のポケモンが現れ、一斉に襲い掛かる
「反則だろ…大爆発!!」
シンはそういうと地に伏せた

ドッゴオオオオン…

強烈な爆発が起こりポケモンが吹き飛ばされる
あと数メートル…それくらいの至近距離で大爆発を食らったのだ
ポケモンたちにはひとたまりも無い
シンは黒焦げになったアテムをボールに戻し、鉄刀を抜いてほうすを戦う体制をとる
「ソレデヤルキカ?」
いかにも馬鹿にするような言葉
「いかにも…」
そういうと、シンは鉄刀を構えた
そこへ―

「いた!」
「イズミ!水鉄砲!」
イズミと呼ばれたワニのようなポケモンは、強烈な水流をほうすにぶつけた

「もう…何やってんのよ。シン」

「サンキュー。クリス」

第四十五話へ続く…
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