ミキがバッチを持って校門から飛び出してきた
まさに『欲しかった物を親に買ってもらった』みたいな
それくらい嬉しそうだった
校門にによたれかかっていたシンの一言

「リンチはねぇだろ」


第四十八話 ミキ<シン<ゴールド?

「…んで、このねぇちゃんが、クリスさん。ジョウトリーグ三位で、俺をセトだけにするほどの実力者。ちなみに、ちょっと今日助けてもらった」
シンがクリスに手をむけながら言った
「んで、こいつがゴールド。今は違うけど俺より強い。ジョウトリーグの決勝戦で俺を倒してる」
今度は『指を指して』言った
ミキがへぇ〜と言うような仕草をし
「じゃあさ…今からバトルしてみてよ。勝ったほうを強いってことにする」
クリスが「ははは…」と笑ったが、当の二人は本気のよう
「それはな、ミキ」
「それはね、お嬢ちゃん」
「「俺に決まってる」」

・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・

「…でさぁ」
「何?」
「何でこんな大事(おおごと)になってんの?」
「さぁ」

ここはTBTスクールバトル場
なんと運が悪く今回講習で来るはずだった先生が、体調を崩し、来れないという事
それで、偶然敵意むき出しでそこにいたシンとゴールドが狩り出された…
ということらしい
それで今会場は

ワアアアアァァァァァ!!!

大歓声
その講習は全校同時のもので、その何百人単位の人数の若きタマゴが集結している
無論、先生にとってもこれはいいチャンス
だから、シンたちには『コレ』(指を伸ばしきり、人差し指の先と、親指の先をくっつけて輪を作る)が配付される

『では…2VS2のシングルバトルでよろしいですか?』
「はい」「いいよ」
二人がボールを構える
『では…始め!!』

二人の手からボールが放たれた
「行け!ラー!」
「行け!フシ!」
シンの手からはピカチュウのラー
ゴールドの手からはフシギダネのフシが現れた
「フシ!つるのむち!」
「ラー!かわしてかみなり!」
フシの猛烈なスピードで繰り出されるむちをぎりぎりのところで避け
ラーが上空に舞い上がる
そして―

ピシャァァァァァ!!!

眩い光と轟音とともにフシに雷が命中する
が、フシはそれを見事にこらえきった
「ラー!もういっちょ(訳、もう一回)かみなり!」
「気にしなくていいよ!にほんばれ!」
ゴールドの思惑通りか、かみなりはフシのかなり離れたところに当たった
にほんばれにより、一気に辺りが蒸し暑くなる
「ッ!!」
シンが何かに気付いたのか、とっさに
「逃げろ!!」
「ソーラービーム!!」
シンの指示のほうが早かったため、ラーは間一髪かわすことができた
「2発目!ソーラー…」「あまごい!」
ラーのあまごいにより、ソーラービームの発射に少々時間がかかった
「かみなりだ!!」

おぉぉぉぉぉ!!
観客からの声援

雨により、命中率・威力ともに上昇したかみなりがフシに直撃する
「戻れフシ」
ゴールドはフシをボールに戻した
そして、新たなボールを手にして
「行け!カザン!」
そのボールからバクフーンが姿を現す
「にほんばれ!」
「あまごい!」
「にほんばれ!」
「あまごい!」
・・・・・・・・
お互いに不利にはなりたくない
が―このまま続けばさきにPPが尽きるにはラーのほう
シンは早急に技をやめて、指示を出した
「十万ボルト!!」
大技の連射はいけない
シンはそう教わっていた
カザンはそれを受けながらも態勢を立て直し
「だいもんじ!」
同じく、命中率も威力も上がった大文字がラーに直撃する
「よくやった、ラー」
シンもラーをボールに戻した
そして―

「イシス!行け!」
イシスと呼ばれたサーナイトは、気付いたときにはカザンの目の前にはいなかった
「さすがイシス。言いたいことが分かるらしい…サイコキネシス!!」
カザンはイシスの背後からの技により吹き飛ばれる
それと同時にゴールドの手が黄金色に輝きだした
「レベルツー!!」
シンのその声と同時にイシスはつるのようなものに包まれて

おぉぉぉぉぉ!!

大きな歓声とともに、全身に棘(いばら)をまとったイシスが出てくる
そして、地に倒れるカザンに向かって
「ソーラービーム!!」
単発使用の草タイプの大技が繰り出され、カザンは動かなくなった


第四十九話へ続く…
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