「…何故わしの力が必要かな?もうおめぇはわしより強い。一人で十分…」
「ジムリーダーが倒せない。なんやらを教えてくれ。そういうレベルのものじゃないんです!」
「…何?」

第五十一話 『鉄壁』

「何があったのじゃ?」
ロクが尋ねる
シンは、一度息を吸ってから
「ビルドが…ゴット団側に寝返りました」
「なんと…」

・・・・・・・・・・

「それで、ビルドのいるアジトはある程度見切りがついています。しかも、ここからあまり遠くないところです。今はとりあえずそのためのメンバーが足りません。私、師匠、ゴールドとシルバーも応援に来てくれました。他にも、他地方から召集をかけます。今ゴールドたちには別働隊として、師匠も召集を。あなたはさまざまなところで旅をしてきました。何人もの人と会ったはずです。一旦総攻撃をかけます。その後、戦力が落ちたところへ総本山となる第九アジトへ攻め込みます」
意図をすべて言い終わると、もう一度息を吸って
「もう引退状態のあなたに言うのも何ですが、今われわれはあなたを必要としています。仲間になってくれませんか?」
「・・・・・・・・」
ロクが黙り込む
悩んだ挙句
「…いいだろう。攻撃はいつだ?わしのポケギアが動いてくれれば、相当な人数が集められるが…」
「明日…明朝です」
「早いのう…今連絡しても来れるのは数人じゃろう…かまわぬか?」
「それでいいです。では、コレが計画書です。師匠から、暗記するようにとの…」
「分かった。全力を挙げよう」

「ミキたちは…どうしようかね…」

・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・

「…って事だ。明日一日俺はいないからな」
「じゃあ…明日どうするんですか?」
シデが尋ねる
「ジムに行こうがコンテストに出ようがそれぞれの勝手で良い」
「はぁい…そのまえに…」「ロクさんとこには行かせない。忙しいんだからな」
言葉を先読みされる
ミキの口が『に』で固まる
「とりあえず今日は休め。明日は自由で結構!帰ってきたときにいなかったやつは見捨てる」
「「・・・・・・」」


「ねぇ…シン…」
「ん?」
ミキが尋ねる
「私もそのメンバーに…」「だめだ」
「でも、ちょっと位は…」「死にたいのか?」
「!?」
「光る手を双方使った状態でバトルするのはこの上ない危険だ。力を制限すれば多少は大丈夫かもしれないが、多分相手は手加減しない。もちろんこっちも…両方使った状態でやると、発動させた分の力を全部奪われる。全力同士だと死ぬかもな…」
「じゃあ…力をセーブして…」
「無理だ。そんなことできるやつなんて数人しかいない」
「・・・・・」
「とりあえず今は休め。明日俺は絶対無事で帰ってくる」
シンはそういうと、バッグを担ぎ外に出て行った

第五十二話へ続く…
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