『行ってください!』
ポケギアからクリアの声がする

第五十三話 ロク・ワタル組VS『E』

ダダダダダダダ…
二人が走り出した
その一人はクォーレ四天衆の一人
現在無敵伝説を作り上げているロク
もう一人は、今セキエイで有名を誇る
ドラゴン使いのワタル
二人とも、ポケモンリーグ優勝経験のある強力なトレーナーである

ビィー…ビィー…ビィー…

すぐに警報が鳴った
足音も聞こえる
おそらくこっちに向かっていると思われる
二人は倉庫から侵入した
辺りには警察が見たら即刻押収レベルのやばい物ばかりであった
一応政府関係者のワタル
ここを一荒らしして行きたかったが、やはりやめておいた

そして、広い場所に出た
倉庫のときだけで相当広かったのだが、それがさらに広くなった
まさにバトルするための…

ガシャァ!!

轟音を立てて、巨大な牢が落ちてきた
そこに…
「E…」
ロクが呟く…
「ヒャ!袋の中のねずみですなぁ…ロキ殿」
独特な笑みを浮かべて、Eが出てきた
「・・・・・・残念だが…」
ワタルが突然話し出した
「残念だが…鼠(ねずみ)と龍をお間違えになっているのでは?」
「ひゃ?」

ドゴォォォォン…

そこにはカイリューが破壊光線を撒き散らして牢をあっという間に粉砕した
「次からは我々が入るのでぎりぎりくらいの小ささのもののほうがいい…次はないが」
ロクもボールを構える
そして、ボールを放った
「行け。ソーナンス」
ソーナンスが現れた
そのソーナンスは、普通に見るものより一回り大きい

「まぁ…ひゃ!あせらないでくださいよ…」
Eはそういうと、腰のボールに手を伸ばす
そして、出てきたポケモンは
「バンギラスか…一匹でいいのか?」
「ひ!もちろん…『これ』があればね…」
ボールから現れたポケモンはバンギラス
そして―

キィィィィィ…

Eの手が漆黒の光を放った
その光を浴びて、バンギラスの凶暴性があがったように見える
「…ダークポケモンか…いくぞ!」
「うい」

・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

「ひゃぁ!!ダークラッシュ!!」
「くっ!」
バンギラスは立て続けにダークラッシュを連射する
さすがに、ほとんどの能力が比較的高いドラゴンタイプのポケモンといえど、高ダメージのダークラッシュを立て続けに当てられては残り体力も少ない
しかも、ダークラッシュはほとんど
というよりまったく避けられない
カイリューも反撃の機会がない
「とどめ!ひゃあ!ダークラッシュ!」
よろめいたカイリューに照準が向けられる
が―
「かばえ!ソーナンス!」
ロクの光る手―うっすら緑色に包まれたソーナンスが飛び出した
先ほどまで何もしなかったソーナンスが突然バンギラスの前に立ちふさがる
「ひぃ!だめだぁバンギラス!」
『道連れ』を恐れてのことか、攻撃をやめさせようとする


グォォォォォ!!

攻撃は続行された
名前を呼べば元に戻るはずだ
普通の『ハイパー状態』ならば
が、今は違う
ハイパー状態に加わって光る手も興奮を助長させる
もう何も耳に入らない
そして―

ばたぁ…

ついにソーナンスが倒れる
と同時に「くぅ…!」と、光る手を使っていたロクにもダメージが来る
さらに


グォォォォォォ!!!

バンギラスが苦痛の声を上げ、倒れた
「ぐおおおおお!!!!」
Eが手を押さえて倒れた
その手の光は手から抜け、ロクの手に集まって緑色になった

どさぁ…

ロクもに、ソーナンスが倒れたためダメージが来る
「大丈夫ですか!?」
ワタルが駆け寄る
「大丈夫。結構セーブしたからな…時間稼ぎありがとう」
息は荒いが、ロクはまだ生きていた

Eは倒れたまま動かなくなった

第五十四話へ続く…
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