これは、シンが帰還する数時間前の話
ピピピピピピピ…
付属の目覚ましが電子音を鳴らす
それに気付いて起きたのが
「ミキさん…遅れますよ…」
「むにゃ…」
食事を取り、準備を整えてから
「行くぞぉ!トキジム!」
ミキが天に向かってこぶしを突き出す
シデは…
「今年はクォーレリーグやってないんで…コンテストで制覇します」
とか…
そのときのミキの頭には
コンテストって何?
それでいっぱいだった
・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・
「たっのもぉ〜!!」
ミキが前回「道場じゃない」
と叱られたばかりの声を発する
が、それは思いもよらぬ形で返ってきた
ギィィィ・・・
扉が開いた
そしてそこには胴衣姿のひとが何人も
そして、奥の席に座る男の人が
「うぬぅ!?道場破りか!であえ!であえぇ!!」
「はい!?」
・・・・
・・・・・
・・・・・・
「ですからカクカクジカジカで―」
「うぬ…大体分かった。挑戦じゃな!よかろう!おい!準備せい!」
「「ウス!!」」
ここはどう見ても『道場』
壁には『心』とか、『精力善用 自他共栄』とか書いてある
そして、ミキはその闘技場のようなところの端に立たされた
「えっ…とぉ…」
あまりに早すぎる対応に、戸惑うミキ
すると
「おぬし!名をなんと言う!…聞くときは自分からじゃな!わしは『ゲン』!おぬしは!」
かなり年をとっているように見えて、結構元気な人だ
「あたしはミキ!!よろしくぅ!!」
ミキも大声で返事をした
「では…始め!」
どぉん…
始まりを告げる太鼓がなる
ここに来て始まるまで一分足らず
かなりのスピードである
「行け!マクノシタ!」
「行け!ナミ!」
格闘タイプで来るのは分かっていた(というより暗黙のうちに知らせていた
「マクノシタ!きあいだめ!」
「ナミ!水鉄砲!」
マクノシタに水流が浴びせられる
「カラテチョップ!!」
気合を十分に溜め込んだマクノシタの空手チョップはかなりのスピードでナミに飛ぶ
が、ナミは間一髪でそれをかわした
ズガァァァ!!
その技によりできた割れ目がその強力さを物語っていた
「次当たったらお終いだよ!水鉄砲!」
ナミに警戒を促しながら、同じ技を繰り出した
一方相手も同じ戦術を繰り出した
・・・・・・・・・
ガスッ!
ついにカラテチョップがナミを捕らえた
その威力によりナミは吹き飛ばされた
「フフ…ワシの勝ちのようだな!」
ゲンが勝ち誇るように言うと
ミキは違う顔を見せた
キィ…
弱いが、今確かにミキの手が赤色に光っている
すると
ムクッ…
さっきまで倒れていたナミが、急に力を取り戻し、起き上がった
「何故だ…」
ゲンが驚愕の表情を浮かべる
もうきあいだめのPPは残っていない
「これが…」
ミキが自分の右手を見て呟いた
そして―
「水鉄砲!!」
ナミから、いつも以上に強力な水流が発射された
それにより、マクノシタは吹っ飛ばされ、動かなくなった
第五十九話へ続く…
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