「……ぅ…」

第六十一話 再起―代償

「ぅぅ…」
ここは…どこだ…

急に入った光のせいで目がまともに見えない
耳もうまく聞き取れない
体中に痛みが走る
特に右手が痛くて動かない
ただ感じるのは…
背中についている冷たい感触と、自分の上に何かが乗ってること

目が光に慣れてきた
それに腕も少しずつ動くようになってきた
まだ、ぴくぴくと動く程度だが、さっきよりはたいした進歩だ

「・・・!!・・・・・!」
相変わらず耳は駄目だ
耳に走る激痛
鼓膜でもやられたのか…
でも、口元を見る限り何かを叫んでいるのが分かる
少女だろうか

『シンさん…シンさん…』
頭に何かが流れてくる
そんなことを考えてると、その人のようなものは、背の高い女の人に何かを言っていた

「・・・・・・」
その人が静かに何かを言った
その人が左手を横に伸ばしたと思ったら





バシィン…





「ッ!!」
一気に頭が活動を始める
数回瞬きをすると、目がはっきり見えるようになった
右手の激痛は相変わらずだが、体が起き上がる
それをさっきの人のようなものが元に戻す
『大丈夫ですか…?』
「「・・・・!・・!」」
まだ耳は駄目みたいだ…





…って言うか…
お前ら誰だ…?

『えっ!?』
その人のようなものからそう返事が返ってきた

第六十二話へ続く
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