ここは…どこだ…?



確か…ビルドと話した後眠っちまったのかな…



どんな風に言ってたっけ…?




「…は…強いぞ…」



第八十一話 旋風の力をこの手に掴め!


「うっ…」
シンが目覚めた
そのときシンは土壁にもたれかかる様に寝ていた
急に目に入った光によりくらくらする



だんだん映像が鮮明になってくる
そこは…今までに二度来たことがあった

「コロシアム…?じゃあ…」


『ルギアは強いぞ…』


ビルドの言葉が完全に頭に入った
「・・・・・・・ルギア…か」

シンは起き上がり、腰から二つのボールを取り出した
そして、電子音声の指示を待たず前に立った


「来いやぁぁ!!!」
シンがボールを投げる
中からはセトとイシスが
『まだ終わってないんですか?』
「あぁ…終わったら等分休みだ。それより…」



扉の奥から轟音が聞こえる
扉の隙間からは黒いオーラが垣間見え、地響きを立てている
そして―
来た


バガァァァァァン…


石製の扉が木っ端微塵に砕かれる
その瞬間突風と激しい砂埃が起こる
その直後、壁や天井に体を打ちつけながらルギアが姿を現した

「行けぇぇぇぇぇ!!!」


セトとイシスが駆け出した
「!!ダークブラストだ!!左右に回れ!!」
双方が技を使ってルギアの横に移動する

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ルギアが力を溜め始める
「アテム!守る!!」
シンが三つ目のボールを放った
そこからはソルロックが姿を現し、緑色の閃光を放った
その緑の光はダークブラストを真っ二つに裂きシンへの攻撃を防ぐ
「行け!レベルツー!!アイアンクロー!!ソーラービーム!!」
横からセトが、反動で苦しむルギアを吹っ飛ばす
そして、地面に叩きつけられたルギアに緑色の光線が時間差で追い討ちをかける


グォォォォォォ!!!


ルギアが怒り狂い暴れまわる
「来るぞ!!」
シンの声とともにセトとイシスが壁の近くまで退避する
その直後ダークブラストがあたりに撒き散らされる
「ラー」
シンがそのうちに四つ目のボールを放つ
そこからはピカチュウ…ではなく、ライチュウが
「お前の力見せてやれ…十万ボルト!!」
そういうとライチュウは、帯電を始める
その量はすでに『十万ボルト』の域を超えている

バジジジジジジジジ!!!!

雷鳴のような音が耳に響く
鼓膜がやられそうだ
その轟音を堪えながらシンは叫んだ

「超!!十万ボルトォ!!!」

その声とともにもう限界量までエネルギーを溜め込んだラーの電気袋が煙を上げて放電した
それは引っ張りすぎたゴムのような勢いでルギアに襲い掛かり、再び轟音を聞かせた
その衝撃と同時に地響きが起こる
その閃光に目も開けていられない
そして…目の前に透き通る青いボールが現れた
光がボールをつきぬけ、閃光の一部分が青くなる

「行っけぇぇぇ!!!」

シンはそう叫び閃光に向かってボールを投げる
衝突し、ルギアはボールの中に消えた
青いボールは電撃をはじき、地に当てた


コン…
   震えている…

コン…
   花火が起こる

コン…それは―静かになった


第八十二話へ続く…
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