第八十五話 激戦!!

「さてと…いきますよ」
カメックスは完全に回復した
もうすでに大砲の照準はナミに重なっている
「どうぞ」
その声とともにナミも突進の体制を作る

「ハイドロポンプ!!」
「避けて!ナミ!!」
強力な水流がナミ目掛けて飛んできた
ミキの指示が早かったためナミはそのまま横に飛ぶ

ズガァァァァァン…

反れて壁に当たった水は壁に大きなくぼみを作った
ナミはそのままカメックスのほうを見て
カメックスは指示を待たず照準をナミに向ける
「「ハイドロポンプ!!」」
二人が技を叫ぶ
双方の大量の水が衝突し、あたりを水浸しにする
「ッ!!」
カメックスは二つの大砲の照準を左右にずらしてナミのハイドロポンプを受ける
が、カメックスの大砲の照準を再び元に戻し、ナミに左右から水流が襲い掛かる
「突進!」
ミキがとっさに指示を出した
ナミは前に出て水流を避け、頭から突っ込む
「高速スピン!!」
衝突の寸前に殻に篭り、回転した

ガギ…

異様な音を立てて突進が弾かれる
が、ナミはすぐに体勢を立て直し、向き直る
「ハイドロポンプ!!」
「ハイドロカノン!!」
双方から至近距離で水流がぶつけられる
ふたたびあたりを水浸しにする
が、圧倒的にカメックスの威力のほうが強い
ハイドロポンプの水流はどんどん押され、威力を失った
そのままナミは顔面に水流を受け吹っ飛ばされる
「ナミ!!」
ミキがナミに呼びかける
ナミはかなりのダメージを喰らっているようだが、何とか立ち上がった
「・・・・?」
追撃を仕掛けてくるかと思って避ける指示を出そうとしたがやめた
カメックスはひざを突き、息が荒い
「…今だ!ナミ!突進!!」
ナミは何とか体を立て直し、カメックスのほうを見た
そして、がら空きになったカメックスの腹部に体ごと当てる
その攻撃をまともに受けたカメックスは甲羅を滑らせるようにして壁に叩きつけられた
カメックスは大きな体を回して起き上がる
ナミは体中の痛みに耐えながら向き直る

「(もう…そろそろかな…)ナミ!突進!!」
「カメックス!高速スピン!!」

二つの巨体が衝突する
その衝撃で地面に撒かれた水が舞い上がり、二匹の姿を隠す
その中から一匹のポケモンが吹っ飛ばされ、地面に潜り込む様に穴を開ける

「「・・・・・・・・」」

少しの間沈黙が流れる
その水しぶきの中には一匹のポケモンが見える

水しぶきが落ちてくる
そして―中からはカメックスが姿を現した
その体は窓から指す光を浴びて白銀の光を放っていた
「レベル…ツー…?」

衝撃であいた穴の中には、ナミが横たわっていた

第八十六話へ続く…
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