第九十話 開会式
『勝利者が一万人に達しました!!これより個別にポケギアに電話するので、連絡の入った方はもう一度山頂にお集まりください!!!』
山頂から再び轟音が響く
周りの人がぞろぞろと山頂に移動している様子を見れば何の指示だったかはすぐに分かった
あの勝利の後数名から勝負を挑まれた
もちろん全員ばったばったとなぎ倒していった
最後の人は面白くなく無くなって来たので十分くらい逃げ回った
ま、最後は瞬殺だったけど…
そんな考えを起こしながら、シンは軽快な足取りで山頂へ向かった
『これより!第二十一回!!ポケモンキングスダムを開催いたします!!』
先程よりは結構小さい声
が、音の巨大さは変わらない
『予選に時間を使ってしまったため!!さほど重要でない話は省かせていただきます!!』
そう来るか
やはりそうなるか
シンはそう思いながらおそらく最後の話候補の話に耳を傾ける
『予選のことで…!!一万人の人数のバトルを一つの会場で行うことは不可能なので…!!カントー・ジョウト・ホウエンに分かれてトーナメント行い!!ベスト4が決定した時点で再びここの整備されたバトル場で決勝トーナメントを行いたいと思います!!』
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そしてかなり手短に開会式が終わった
そして退場時に予選についての紙を配られる
『予選 一週間後開催
開催地
カントー出身者・・・セキエイリーグ本会場
ジョウト出身者・・・シロガネ山 山頂
ホウエン出身者・・・サイユウリーグ本会場
オーレ出身者・・・・サイユウリーグ本会場
クォーレ出身者・・・セキエイリーグ本会場
〜〜〜〜出身者・・・シロガネ山 山頂
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「(OH!!NOOOOO!!!)」
シンは心の中で叫ぶ
セキチク!?
カントーさんとですか!?
ここらの年代で最強といわれる『レッド先輩』や『グリーン先輩』
研究会の権威とも呼ばれ、最強格のトレーナーとも言われる『オーキド博士』
実際敗戦経験のあるもののカントー地方のみならず世界中からも最強の呼び声の高いチャンピョン『ワタル』
さらにここのジムリーダーは様々な地方でも上位の強さを持つ
故にカントー地方と同じトーナメントを勝ち抜くのは至難の業
さらにそこに師匠も加わりさらに難易度は上がる
でも…『今回じゃないと』…
シンがそう思っているときに…
バシィ!!
何かに背中を思いっきり打ち付ける
その主は…
「ヤッホー!」
ミキ…忘れてた…
「どうだったんだ?予選」
シンが背中を押さえながら訊く
「ん?四連勝かな…みんな私を『オニャノコ』だからって甘く見すぎ!」
プゥ…とほほを膨らませて言う
「(オニャノコって…何?)」
ミキ曰く、相手はほとんどが敗戦経験のある人で、みんな
「これなら勝てそう」
みたいな事をぼやいていたらしい
そんで頭にきて…
「ぼこぼこか?」
「うん。ボコボコ」
「ハァ…」
―そして二人が再び会うのはさらに一週間後となる―
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「…完成だ…」
開会式から六日経過したころ、カントーのとある竹林でシンが言う
ポケットからは折りたたまれた紙が姿を見せる
「ふぅ…」
シンはそう言って腰を落とした
その時に紙がポケットから落ちる
その紙には『トキワ竹林伐採依頼』と書かれている
その伐採地域は丁度シンの目の前の竹林の位置に当たる
が、シンの目の前にはもうすでに竹林は存在しない
すべての竹が下から数センチ上を失っている
「行くぞ…セト」
そう言うとボールを手に持ちほぼダウン状態のセトをボールに戻す
そしてシンは額の汗をぬぐいながら去っていった
そして数秒後…
ドドドドドドドドドドドッ!!
轟音を立てて大量の竹の上部分がなだれ落ちて地面に刺さる
その場は再び竹林と化した
第九十一話へ続く…
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