「なんだ…今の技は…」
わたるがシンに問う
シンはフラフラと地面に倒れこむセトをボールに戻し

「セトの…完成体だ」


第九十二話 クォーレの精鋭VSカントー四天王


『それでは!!予選二回戦目をぉ!!始めるYo〜!!』
再び歓声が巻き起こる
さっきまで荒野だったフィールドはもう焼けこけている
『では…一人目のトレーナはぁ!!!元四天衆の一人!!『閃光のクリア!!!』
そういい終えると扉がゆっくりと開いた
特に演出は無い
クリアはそのまま無言で台についた
『二人目のトレーナーは!!現在最強クラスの格闘ポケモン使い!!『豪腕のシバ』!!』
そして扉がゆっくりと開き、両脇から激しい炎が噴出された
そして、少し手を振ってからシバも台に着いた

「行きなさい。テトラ」
「行け!!カイリキー!!」
クリアのボールからはテトラと呼ばれたサンドパンが
シバのボールからは強靭な腕を四本も持つカイリキーが姿を現す

『それでは…!!セキエイ予選第二戦!!レディ…ゴー!!!』

「行け!!カイリキー!!クロスチョップ!!」
スタート直後にカイリキーは腕を振り上げて襲い掛かってきた
「カウンター」
クリアが冷静に言う
テトラはカイリキーの攻撃を見事にいなし、さらに強大なダメージを与える
「負けるな!!起死回…カイリキー!?」
カイリキーはそのまま動かない
審判がダメージ計測器を使って状態を見に行く

・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・

「…カイリキー戦闘不能です」
「な…!?」
クリアはその声を聞いたとたん振り返って戻ろうとした
すかさずシバが
「オ…オメェ!!何した!!」
そう言うとクリアは振り返って
「…格闘タイプ使いの人にとって、カウンターで負けるのはこの上ないほのまれよ?」
そう言って立ち去っていった


「流石師匠」
シンがその様子を見て言う
「あの人に勝ったのかい?」
隣でワタルが訊く
「まぁね…運が良かっただけだけど…」
そう言って販売の人にポテチを求める
「そんなの食べてる場合?」
ワタルが呆れて言う
「まぁね…こっからの試合は…ゴクン…レッド先輩の試合だけ見れば十分」
そう言って次々と口に放り込む
「はぁ…次は可愛い可愛い弟子の試合だってのに…」
「可愛いは余分。別に大丈夫だってあいつなら…勝てるって」
シンはそう言ってポテチを二つ買った
「いう?(要る?)」
「いいや…いい…」

『じゃあ第三戦!!始めるYo〜!!!一人目のトレーナーは!!カントーで勇名を誇った忍者の末裔!『キョウ』!!』

ドロン…

トレーナー台から煙が吹き上がる
そしてそこにはキョウの姿が
キョウが大歓声を浴び終えると
『二人目のトレーナーは!!十数年ぶりの推薦参加!!『ミキ』!!!』


パパパパパッパパパパパッ

その直後、扉の周りで癇癪玉(かんしゃくだま)が破裂
さらに桃色のスモークが撒き散らされ、さらにはライトで照らされてミキが登場した

「アホめ…」
シンがポテチを齧り(かじり)ながら呟く

「行け!ナミ!!」
「アリアドス…参る!!」
ミキのボールからは大きな体を持つラグラージが
キョウのボールからはアリアドスが姿を現す

『それでは…!!第三戦…!レディ…ゴォー!!!』
「アリアドス!!い…」「突進!!」

直後、アリアドスは壁に叩きつけられていた
ミキは「ぃ良し!!」と言ってナミをこっちに戻す

「早・・・」
シンも手からポテチを落とす
そして立ち上がり、遠くにある経過時間を見る

『0.49』

「抜かれた…」
シンはそう呟いた
タイマーが止まっている
つまり…

『これは…アリアドス!!戦闘不能!!この試合でミキ選手は!!慎選手の持つ記録を上回ったYo〜!!オメデト!!』

「マジかよ…」
シンが言った


シン(クォーレ) ○ 二回戦進出 次回・VSクリア
ワタル(カントー)× 

クリア(クォーレ)○ 二回戦進出 次回・VSシン
シバ(カントー) ×

ミキ(クォーレ) ○ 二回戦進出
キョウ(カントー)×
第九十三話へ続く…
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