シンとセンリとのバトルの後にも、続々と試合が行われた

二組目は『ダイゴVSミカン』
最上級の鋼VS鋼の勝負となった
ミカンのハガネールは、イワークの時に習得した地面技を巧みに操り優位に立つものの、強大な防御力を持つメタグロスには歯が立たず
最後には、地面に潜った所を地震で攻撃
何倍にも膨れ上がった攻撃が、一撃でハガネールを制した

三組目は『ゴールドVSアダン』
強力なトレーナー同士の戦いとなったこの勝負
アダンは得意の水ポケモンで圧倒的に優位に立つ
が、ここでゴールドがレベルツーを使用
さらには煙幕などを巧みに操り勝負を決めた

四組目は『レッドVSグリーン』
最上級のライバル対決となったこのバトル
リザードンの猛攻により不況に立たされるピカだが、試合中に奇跡の雨が降る
この雨を期に状況は逆転
リザードンの攻撃は弱くなり、逆にピカの電気技は強化され、逆転勝利を得た

五組目は『ミクリVSイブキ』
パフォーマンスさながらのミクリの猛攻
強力な水攻撃に圧倒されるイブキだが、最後の最後に竜の息吹で相手がマヒを負う
あともう少しまで行ったものの、最後には動けずイブキが勝利した

そして―
  ―第六戦―


第九十七話 因縁の対決



『本日最後のバトルは!!クォーレ出身のミキ選手対!シルバー選手!!』


・・・・・・・・・


二人のトレーナーがバトル台に立つ
その二人はボールを持ち―投げた

「行け!ナミ!!」
「行け。カキ」

ミキの放ったボールからは、巨大な体を持つラグラージ『ナミ』が
シルバーの放ったボールからは、九つの尾を妖しく光らせるキュウコン『カキ』がそれぞれ姿を現す


「進化したんだね。その子」
「フン…お前もな」

初めて対戦したときはロコン対ミズゴロウだった
もうすでに二匹は大きな体を持ち、強くなったことをゆうに感じられる

そして―


『ポケモンキングスダム!本日最終戦…スタァーット!!!!』


「お…」「突進!!!」

シルバーの指示をかききりミキが指示を下す

「―――――ッ!!」

ナミが突っ込んでいくときの轟音で、音が聞き取れない
ナミはカキの横をものすごいスピードで通り過ぎた
「まだまだ!!突進!!波乗り!!」
「――――――ッ!!!」

ミキ側の攻撃の音がすごい
ダッシュの際に起こる音に、ナミの後ろから来る大波の音
カキは殆ど指示が聞き取れないはずである
が―

ナミはまたしもカキの横を通る
波は、カキの目の前でかき消されるように無くなった

「鬼火」

勢いを止めるべく踏ん張るナミに、キュウコンの放った猛火が衝突する
「これで火傷した。二の舞だぞ?」
「・・・・・・・」

以前も火傷されていた
相手は守ると見切りを使いこなして持久戦に持ち込み、触れずして倒すつもりだ


「け・ど・ね・・・突進!!」
「な…!?」

ナミは火傷に構わず突進してきた
油断しきっていたカキはまともに攻撃を受け、吹っ飛ばされる

「ヘヘヘ…油断大敵!」
「ちぃ…防御体制を崩すな!すぐに倒れる!!」

カキはその言葉を聞くと、右前足に重心を移し、方向転換が出来るように態勢を移す


「来い」
「…波乗り!!」


・・・・
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・


「突進!!」
「見切・・・な・・・」

遂に見切りは発動しなかった
ナミの全体重をかけた二度目の突進が、カキを吹き飛ばした
カキは倒れる―が、足を震わしながら立ち上がった


「やっとPP無くなったぁ…片付けるよ!ナミ!波乗…」
「やめろ」
「!?」


シルバーはそう言うと、カキをボールに戻した
「何で…?」
「これ以上やる必要は無い。負けだ…」

シルバーはそう言うと、後ろを向き、扉のほうに歩いていった

「凍った…木の実だろ…?」
「え!?なんで?」

ミキは持ち物のことは一言も言ってはいない
もちろん、持ち物は見えないように持たせるのがポリシー
分かるわけが無い

「フン…その大きな体のポケモンに、見えないように持たせるのは至難の技。それが出来るのは木の実くらいだ。俺が知ってるのでやけどを治せるのは凍った木の実と後一つあるが…それは入所が難しい」
「・・・・・・」

戦術を見抜かれていた


「が、それに気付けなかった俺も俺だけどな…」

シルバーはそう言うと、こういい残して去っていった


「お…おめ…で…で…おめでとうミキ!…が…がんばれよ・・・!!」



第九十八話へ続く…
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