「ん・・・・・」
ルビーは真っ暗な空間で目を覚ました
すると、急に目の前が明るくなる
眩い光がルビーを照らす
『起きましたか・・・』
聞き覚えのある声
ルビーはその声の主に声をかける
「イシスか・・・」


第九話 始動


『ハイ』
「なんで・・・」
『何でも何も…あなたこそ、なんで光る手を使ったんですか!?』
「あいつらが気に食わ・・・」
『そんな理由で…!命にかかわるんですよ!?』
「今、現に生きてるじゃ・・・」
『私達が止めたからでしょう!!“化身≠フ形をかたどり始めたらもうレットゾーン。別に最終奥義『獣』を使わなくたって…』
「・・・・・・・分かったよ・・・でも・・・」
『分かってます。決行は一週間後』
「そう。おまえらと俺だけでやる」
『え・・・!?他のエージェントは・・・?』
「別にいい。俺、セト、お前。後はスサノオを使う」
『・・・分かりました。では・・・』
「あぁ、途中路の掃除を頼む」
『・・・では』


セトとイシスは去っていった
イシスのフラッシュが切れ、再びあたりが真っ暗になる
「ふぅ・・・」
ルビーはため息をつくと、起き上がろうとする
「ッ・・・!」
立つ為に動かそうとした部分、全てに痛みが
言うなれば筋肉痛の状態
しかも、重度
体中が針金で縛られているようだ
「・・・・・・・・・」
ルビーは、助けが来るのを待った



助けが来たのは、数十分後
そこにいたのはシデ。
そしてアオギリ、マツブサ、サファイアを担いだカイリキー『ゴウ』
ルビーが動けないことをシデは知ると、最後の腕でゴウはルビーを担いだ





「・・・・・・・・・」
「目、覚めました?」
いつの間にか、ルビーは気を失っていたらしい
担がれたせいで体が折れ曲がり、痛みが集中
気付けば病院、と言うわけである
「(…こっち来て何かと病院来るなぁ・・・)」
そんな考えを起こしながら、応答する
どうやら、他の人も同じ部屋のようだ
アオギリ、マツブサはランドを熱戦を繰り広げたが、敗北
噴火のとき、大きな岩石の上に逃げることが出来たが、熱気で喉をやられたらしい
喉には包帯がくるくる巻き
呼吸も苦しそうだ
そこで、ふと気付く
「サファイアは?」
「ん・・・サファイアさんなら・・・そこ」
シデが指差した場所は、ルビーの頭頂
「ん〜・・・・・」
ルビーは首の痛みを耐えながら視線を上へ
すると、そこには小さな背中
正体はサファイア
ルビーのベットに腰掛けて机に突っ伏して寝ている
「因みに、今日はシ…じゃなくてルビーさんが気絶してから三日後。サファイアさんずぅっと見てたんだよ」
「へぇ・・・お〜ぅい・・・サファイア〜」
体は使えない
声だけでサファイアを起こそうとする
「ん・・・」
サファイアがゆっくりと起きる
目を擦ってから・・・
「起きた・・・?」
「ん、あぁ、おかげさまでな」
「良かったね・・・“ドスケベ=v
「ッ!!!!!」
「『ごめん』って言ったて、返答待たずに触るなんて・・・おかげでビックリして気絶しちゃったよ・・・」
「(・・・何か勘違いしてる・・・)いや、それは誤解・・・」
「し・か・も!目が覚めたら倒れてるし、もう二日間も待って・・・」
「二日・・・って事は、気絶して一日で起きたのか・・・?」
「うん。さぁ・・・歯ァ食いしばって・・・」
「ちょ・・・待って待って!お願いがあるんだけど・・・」
「・・・・・・何?」
「も一回やらせて?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」











バキッ☆





「ッ〜〜〜〜〜〜!!!」
「こんの…ド変体!!!」
サファイアは頬を膨らませて出て行った
「・・・・・・・・・・・・・」
その場をぽけーんとシデが見ている
「触る・・・?」
「いや、その話にするな。こっちも恥ずかしい」
「・・・?じゃあ、ボクはこれで・・・」
「あぁ。あっ、そうだ!」
「何ですか?」
「スカイ団の連中、どこ行った?」
「・・・見てませんね・・・逃げたのでは?」
「そうか・・・ありがとう」
「では・・・」
「あぁ」
シデが出て行く


シュッ!


ルビーは突然ボールを窓の外に放る
ボールは弧を描いて飛び、何かが通り過ぎて、消えた
「一週間で超進化(エヴォルト)状態、空の柱。いいな?」
その何か≠ヘコクンとうなずくと、白金に輝く翼を再びはためかせ、遠くまで飛んでいった
「うし、宿題お〜わり!」
ルビーはそう呟くと、長い眠りに着いた


・・・
翌日
・・・・
二日後
・・・・・
三日後
・・・・・・
四日後
・・・・・・・
五日後
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・



〜〜〜六日後〜〜〜


「よし!」
荷物をまとめたルビーが言う
窓のふちには、ボールを咥えた銀色の鳥
「ありがとう」
そう言ってボールを受け取ると、頭を投げる
そのポケモンは嬉しそうな顔をしてから、体を半回転させて背を向ける
ルビーはそのポケモンの背中を掴む
「行くぞ」
そのポケモンとルビーは、窓の外に飛び立っていった














〜〜〜空の柱〜〜〜
『遅刻まで後10、9、8、7、6、5・・・』
イシスがカウントを始める
『3、2、1・・・』「到着!!!」
ルビーが滑り込んでくる
イシスは呆れ顔で
『・・・コンマ以下ですけど・・・遅刻』
「・・・悪ィ」
ルビーはそう詫びを入れると、ボールを放る
そこには、ジュカインの姿が
それはスサノオだった
以前よりもかなり大きくなっている
セト、イシス、スサノオ
みんなルビーよりも背が高い
見上げながら話すという変な感覚に戸惑いながらも、ルビーは旨を伝える
「掃除は?」
『しました』
「天気は?」
『見ませんでした?晴天です。因みに、予報も』
「だろな・・・体調は?」
『バッチシです。行きますか?』
「あぁ・・・行こう」
ルビー、イシス、セト、スサノオは階段に向かって歩き出した
足元には、帽子が転がっている






物語は、急展開を迎える



第十話へ続く…
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