オオタチの、自己判断での技発動により、妙な2人組みから逃げることに成功したウェズ。
向かう場所、アサギ港はもう間近である。
そして今灯台が見えてきたところだ。
しかしウェズは、先ほどのことが気になっているようだ。
自分があの2人組みと、どういう関係にあったことなどかを考えていた。
例の手紙をもう一度読み返してみる。
すると、新事実が判明した。

『ps 修行を終えたら、仮面の男の野望を阻止してくれ』
と小さく書かれていた。
今まで気づかなかった文面である。
そこが書かれている部分を詠むのを忘れていたのか。
それともその前の部分で内容は終わっていると思ったのか。
どちらにしても仮面の男=ネイティオ使いのことだろうとウェズは推測した。

歩いているうちにアサギシティに着いた。
夕日が海をオレンジに照らしている。
夕方の町は賑わっていた。
ウェズは町をふら付いてから、港へ行った。


「お客様、乗船券を買わないと乗船できません。」
「あのぉ〜そこをなんとか・・・。」とウェズ。
「残念ですが・・・。」
「ダ・・メ・・ですか?」
「ハイ。」

金銭がなければ船は乗れない。
仕方がないことだ。このことに気付かなかったのは迂闊だったが。

今度は直接船長に頼んでみる。が、やはり駄目みたいだ。
しかし、諦めず船を変えてその船長に頼んでみると・・・。
「あぁいいよ。南ギアだろ?その近く通るから乗りな。」とOKが出た。
「え?いいんですか?ありがt。」
「そ・の・代・わ・り条件があるけどな。」
いろいろ話したあと、彼らは船に乗り込んだ。

船長のあとについて行き船内の廊下を歩き、階段を降りて、降りて、降りて・・・。
たどり着いた場所は船内でもずっと下のほうであった。
そして船長が、ある部屋をノックした。
「どうぞ。」という声が中から聞こえた。
「ここで待ってろよ。」
そして船長が中に入った。
部屋から会話が聞こえる。
「あのなぁ船長??職場体験じゃねぇんだぜ?」
「まぁ我慢してくれ。頼んだぞ。」
「オイ、ちょっと待てよ。」

「ギア近海に着くまで4日かかる。4日間ここで寝てくれ。」
船長はそう言うと、逃げるように立ち去っていった。
ウェズはその部屋に入った。
案の定、船員がいた。
いかにも【海の男】のような人だった。
「こんにちは。」とウェズ。
「こんばんはだろ。」
「そうでした。」
数分間の沈黙のあと船員が言った。
「えーと、船員の部屋の掃除だったな。ここの船員荷物多いから気をつけろよ。」
それから、いろいろと質問(といっても自分のポケモンに全て技を出させて、名前を質問するという船には関係ない質問だが)したりして、暇を潰した。
明日の朝は早いので9時に消灯となった。
あの船員(名前はロビーというらしい。)曰くガキは寝る時間だと。

早朝。
それぞれが既に職場につくころに起きた。
体がだるい。
「(4日辛抱すればいいか)」
そう4日の辛抱である。
船員の部屋の掃除といってもかなりの重労働だ。

なんとか一日で船員の部屋の掃除はこなした。
そのことを船長に言うと
「へぇ。案外早かったな。じゃぁ明日からデッキ手伝ってね。」

部屋に戻るとあの船員、ロビーがいた。
「ハッハッハ。いきなりダウンか?」とロビー。
「無茶苦茶キツイですよ。ここまで大変だとは思わなかった。」
「慣れれば大丈夫だろ。」

こうして一日、また一日と過ぎた。
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