そこは、奇妙な森だった。
霧が立ち込めていた。
行けば、行くほど森は深まるばかりだった。
二人の少年は、その中の森で迷っていた。
「どーなってんだよ。この森は。」
苛立ちから声が出る。

「光が見えた!!。」
一人の少年が、光の見えた方向に走り出す。
もう一人の少年も続く。
彼らは、森から出た。
しかし、そこは崖の上だった。
垂直に、そして高く、とてもじゃないが降りられない。
さらにその下には、川が流れていた。

前を走っていた少年が、察した。
誰かいる・・・・・。
「どうした?ウェズ?」
次の瞬間、気配を感じたウェズだが、遅かった。
攻撃を受け、崖から転落。
最後に見えたのは、仮面の男女。
そして最後に聞こえたのは、あの少年の、自分を呼ぶ声だった。

そのとき、ウェズは目覚めた。
どうやら夢を見ていたようである。
夢にしては、リアルに覚えているのが気がかりだったが・・・。

目覚めた場所は、この前(第1話参照)の森ではなかった。
白い浜辺、南国系の植物が、生えている場所だ。
海がエメラルドグリーンに輝いている。

浜辺や、海に見とれていると、ウェズは、【彼ら】の無事を心配した。
「(船のみんなは、無事だろうか。)」

そう思いながら、浜辺を歩いていると、街が見えてきた。
その町は、小さい港がある港町だった。

ウェズは、道行く人に、ここが何処なのか聞いてみた。
「ここどこですか?」
「南ギアだが?」
南ギア・・・。
運がいいとしか言いようがない。
自分が、目的としていた場所に着いた。
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