ウェズが、去ったあと
奴等は、やっとの思いで、ブースターの火を消した。
「ち、やってくれたぜあのガキ。」
「まぁいい。任務は、完了した。戻るぞ。」
「BOSSにこのことを報告するか?」
「一応しておこう。我等を見た奴はどんなものであろうが・・・。」
そういってリーダー格の奴は、いつ撮ったのか、ウェズの写真を取り出した。
「消す。」

そのころ、当の本人は、道中で気を失っていたが、気を取り戻したようだ。
「う、ん・・・。」
頭がボーとしている。
あのころと同じように。

彼は、目覚めた。
しかし、傷の痛みは消えていた。
どうしてだろうか・・・。
すると、オオタチが、薬草を持ってきた。
ポケモンたちが、手当てをしてくれたと言うわけだ。
「え?あ、ありが・・・とう。」
ちゃんと発言できなかったが、ポケモンたちは、察してくれた。

そして、ツボツボは、体力が回復するためなのか、【きのみジュース】をくれた。
「(オレには、こいつらがいる。オレがしっかりしなくてどうするんだ。)」
「悪い。皆、足止めしちゃって。でももう大丈夫だから。行こう。」
こうして彼は、山のほうへと向かっていった。


そのころ・・・。ある街の地下にて
あのゴローニャ使いが、地下に入っていった。
そこには、30代半ばの男性と、その傍らに立っている20代後半の男がいた。
あのゴローニャ使い(あのリーダー格の者、おそらく幹部の一人)が、ある男性にお辞儀をして言った。
「ただいま戻りました。BOSS。」
「そうか、ご苦労。」
30代半ばの男性が答える。
どうやら彼が、この組織の首領らしい。
「報告を受けた。子供に任務の一部を見られたようだが?」
BOSSが続ける。
「・・・・・。」
「フ、まぁいい。子供の一匹ぐらいいつでも始末できる。」
そういって、BOSSは、書類を見ながら言った。
そして、BOSSの傍らにいる男が、フッと笑った。
「手配は、済んでいるんだろうな。」
「あ、いえ・・・。まだ・・・です。」
BOSSは、ゴローニャ使いをにらみつけた。
「わ、わかりました。このオセアが、即刻・・・。」
このゴローニャ使い、オセアと言うらしい。
「いや、他のものにやってもらう。ギル、消して来い。」
傍らにいる男に指示をする。
この20代後半の男、ギルというらしい。
この男は、BOSSの指令を聞かなかった。
「命令だ。行って来い。」
「わたしは、貴方の部下ではありません。」
そこにオセアが、口を挟む。
「何言ってんだ??指令だ、とっとと行け。」
「わたしと、貴様等は仲間ではない。わたしは、単なる協力者だ。」
オセアが、ゴローニャを出そうとしたとき、BOSSが、とめた。
「ならばどうするつもりだ。われらを知るものは、幼いながらも危険だ。」とBOSS。
「フ、子供一匹にわざわざおびえる必要などはない。だが、そいつを消すには、同じガキで消すべきです。」
ギルは、そういって書類を手渡した。
「こいつなんかはどうです?貴方が入れ込んでいる子供です。」
BOSSは、書類を見て、すぐに指令を出した。
「こいつを呼べ。」
続きを読む
戻る