「お呼びですか。」
そういいながら一人の少女がやって来た。
「先日の客船襲撃任務、ご苦労だった。」
「ありがとうございます。」
彼女はあの時(第5話参照)の襲撃犯だったのだ。
あのハクリュー使いである。
数秒間空間に沈黙が流れたあと、BOSSが口を開いた。
「次の任務だ。」
BOSSは、写真を手渡した。
「彼は・・・?」
「こいつの始末を命ずる。」
「この人、見たことあります。」
彼女はBOSSに、この前の客船襲撃任務に、写真の人(ウェズ)がかかわっていたことを話した。
BOSSは、頭を抑えながら言った。
「必ず任務を果たせ。スノウ。」
ハクリュー使いの少女はどうやらスノウというらしい。
彼女は、頭を下げ、任務を果たすため外へと出て行った。
ウェズは、そのころ森(というよりマングローブ林に近い)の入り口にいた。
太陽は、既に地平線に沈み、夜が訪れていた。
夜の森は、迷うし、野生ポケモンの襲撃にも対応できないため、彼は、入り口近くにある洞穴で野宿することにした。
ほら穴とはいえ、ズバットなどのポケモンの数は少ないので安心だ。
「(明日は早くに出よう。)」そう考えるウェズであった。
早朝、霧がかかっている。
だけど、もうすぐ晴れるだろう。
ウェズは、森に向かって歩き出した。
歩き始めてしばらくたったころ、彼は、何かの影を霧の向こうに確認した。
何処かで見たような、人の影。
「(誰だ・・・。)」
すると、その影は、ウェズに話しかけてきた。
「久しぶりね。船乗りさん。いえ、ウェズ。」
霧が晴れてきた。
その正体はスノウだった。(ウェズは、本名を知らないが)
「お前は、あの船のときの!!!」
「フフ、そうよ。あのときは、あなたを仕留めたと思っていた。
私の任務はあなたを始末すること。
だけど、あなたは消えていなかった。
だったら今、ここで任務を遂行することにします。」
スノウは、霧の向こうに消えていった。
その瞬間、その方向から“れいとうビーム”が飛んできた。
「うわ!!!」
なんとかかろうじて避けた。
反撃を試みるも、相手は霧に姿を隠していて何処にいるかわからない。
「(でもなんで奴はオレのいる場所を・・・?)」
考えている間に“れいとうビーム”が飛んでくる。
「(必ず、トリックが・・・ええぃ、駄目だ。迷っちゃ駄目だ。
“れいとうビーム”は、氷、炎が有効。
でも奴のビームは、水にもなる。どうする??」
ウェズは、ブースターを繰り出した。
が、その瞬間、足をビームが捕らえた。
足が凍ってくる。
「あぁ・・・。」
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