この日は、朝から暑かった。
木々は、緑色に光っていた。
強い日差しが、森を照らしていた。
もうすぐ初夏だ。

彼らは、深い森を歩いていた。
森には、野生ポケモンが多く住み、数十m歩くとすぐに野生ポケモンとバトルを行っていた。
ここの野生ポケモンは、進化後のポケモンが多く、そして強かった。

「オイ、大丈夫か?」
クローが、ウェズに声をかけた。
「えぇ。大丈夫です。
 それよりも用事って・・・。」
「あぁ、用事はな・・・。
 俺等の宝物つーか、守るべきものを巨悪から守ることだな。
 まぁお前にゃ関係ねぇ話だから気にすんな。」
その後クローは、何も話さなかった。
彼は、黙ったまま先頭を歩いていた。

どれくらい歩いただろうか・・・。
何日も歩いていた気がするし、たった数十分のように感じる。
ウェズは、疲労がたまってきた。
ここで倒れてしまいそうな気がした。
だけど、ここで倒れたら彼らに迷惑だろう。
ウェズは、必死に足を動かした。

彼は、広い場所に出た。
そこには、古めかしい石でできた遺跡が見える。

「あの・・・。ここは・・・?」
ウェズが彼らに尋ねる。
すると、クローとは別の、一緒に歩いてきた男が答えた。
「先人たちの遺跡だ。」
「遺跡・・・?」
「あぁ俺達の守り神がまつってある。」
「守り神・・・?」
「あぁこの森を豊かに保つ神だ・・・。」
そして、今度は、ともに歩いてきた女が、壁を指差した。
指差したところには、壁画があり、動物が描かれていた。
尻尾が長く、綺麗に描かれていた。
「さぁいくぞ。」
クローは、彼らを促した。

森はどんどん深まっていく。
それとともに野生ポケモンのレベルは高まっていく。
彼らは、必死に野生ポケモンを退ける。
クローら3人は、余裕で退けるが、ウェズには、きつそうだ。
彼らのおかげで生き延びられたようなものだ。
ウェズは、彼らを頼りにしていた。
しかし、過酷な運命が、彼を襲った。

道が二つに分かれていた。
ウェズが、「どっちに行くんですか?」と聞いた。
するとクローは、こう答えた。
「俺らは、右で、お前は左だ。」
「え・・・?」
ウェズは、一瞬わけが分からなかった。
「どういう意味です?」
「お前を誘導するのはここまでだ、ということだ。じゃあな。」
そういって彼らは、違う方向へ歩いていった。
クローは、ウェズに離れてから大声で叫んだ。
「その道まっすぐ行けば必ずつくからな。」

すると、大声に反応したのか、シャトル団団員が現れた。
「見つけたぜ。このガキ。」
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