「見つけたぜ。このガキ。」
「(シャトル団か?)何の用だ?」
「ハハハハハ。そう、いきりたつな。
 スノウとかいうガキが、お前を始末しそこねた。
 だから、オレがお前を消して、幹部昇進を狙う。
 それだけだ。」
ウェズは、デンリュウを出した。
「フッ。少しでも抵抗しようってのか?あきらめな。何人いるとおもってんだ?」
「何人・・・?」
その言葉が気になった。
奴を見てもどう見てもひとりしかいないのだ。
「意味分からねぇ言葉言ってんじゃねぇよ。」
デンリュウが、団員に“でんじは”で攻撃した。
だが、その攻撃ははじかれた。
「(どういうことだ?奴は、防御の素振りを見せなかったのに。)」
後ろの叢(くさむら)から物音がした。
ウェズは、その方向を向いた。
だが、もう物音はしなかった。
「ハッハッハ。どうした?もう消してやろうか?」
「ふざけるな・・・。」
その瞬間鋭い痛みが背中を走った。
後ろを振り返った。
すると何かものすごく速い物が、移動し、攻撃してきた。
「うあ・・ぁあ・・。」
激しい攻撃が、彼とデンリュウを襲う。
背中の傷が、開いた。
「(く・・・。こいつらの攻撃・・・。)デンリュウ。そこだ。“でんじは”。」
デンリュウは、後ろに“でんじは”を放った。
すると、その速い物は、スピードが鈍った。
「マ、マルマイン!!」
その速い物の正体、それはマルマインだった。
「ほぅ。よく攻撃の軌道が分かったものだ。」
 しかし、1匹倒してもまだ、攻撃は止むことはない。」
うしろから攻撃が来る。
そのことをウェズは、知っていた。
だが、彼は、振り向かなかった。
「ヒトデマン、“サイケこうせん”。」
ウェズは、背後にヒトデマンを出し、マルマインを撃ち落した。
「何故・・・。攻撃位置が分かった。」
「オレの背中に、傷が、あることを知っててマルマインに背中を攻撃させたんだ。あんたは。ストライクに付けられた傷を、な。」
ウェズを後ろから攻撃する。
後ろを振り向いた瞬間を狙って、違う方向に向けられた背中をまた狙う・・・。

ウェズは、全ポケモンを出し、戦闘を行った。
マルマインの動きは、素早く、見えにくいが、ぼろぼろになりながら奮闘する。
「(まだか・・・?早く来い・・・。)」
ウェズは、何かを待っていた。
もう既に戦闘を始めてから2時間近くたった。
そろそろ限界だ。

「防戦一方の攻撃だな。マルマインとどめを。」
「!!ブースター、“ほのおのうず”。」
周りの叢が焼ける。
「あっちっちち。クソ。このガキ。」
周りの叢に隠れていたのだろうか?
団員が、十名近く出てきた。
「はぁ・・・はぁ・・・。やっぱり隠れていたのか。」
オオタチは、“シャドーボール”で、
ナッシーは、“タマゴばくだん”で、攻撃する。
団員たちは、軽く避ける。

だが、ウェズの狙いは、これではなかった。
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