勝負は一瞬でついていた。
ケーンの手持ちは、全滅した。
団員が近づいていった。
「どういうつもりだったか。いずれにしても、我等にはむかう者は消さんとな。」
ケーンは、
正直、勝てると思っていた。
しかし、現実は、甘くはなかった。
彼は、今、理想と現実のはざまにいた。
何故だ、何故なんだ。
そんな気持ちだった。
彼は、うつむきながら、自分の実力を痛感していたのだ。
「さて、トドメといこうか。」
団員が、ケンタロスを出した。
ケーンは、団員の声や、動作が、耳に、目に入っていなかった。
「“とっしん”!!」
ケーンは、攻撃の合図でようやく、あのはざまから抜け出した。
だが、一歩遅かったようだ。
ケーンは、攻撃により、その場に倒れた。
「これで邪魔者は消えた。さて、任務に取り掛かるか。」
しかし、ケーンが、倒れたところから人が現れた。
そのことは、団員たちも気付いていた。
「「だれだ?お前は。」」
ケーンは、あの洞窟で目覚めた。
「まったく、無茶しやがって。」
ロビーが言った。
「げ!!ロ、ロビーさん!!」
あのとき、ケーンは、ケンタロスの攻撃を受けていなかった。
後ろから、ロビーのストライクの“みねうち”を受けて倒れた。
“みねうち”の衝撃でケーンは、吹っ飛び、結果的にはケンタロスの進行方向からずれた。
その後、ロビーは、シャトル団を一蹴した。
「バカ野朗!!!あれほど忠告しておいたのに・・・。
俺が来なかったらどうなってたと思ってんだ。」
「す、すいません。でも・・・。」
「・・・。」
ロビーは、しばし黙り、そして言った。
「もういい。好きにすればいい。俺は本職(船員)に戻るとする。」
ロビーは、洞窟の外へと歩いていく。
洞窟の外まで歩き、ロビーは、振り向き、言った。
「この洞窟がある山に、マスターという老人が住んでいる。
そこに行ってみたらどうだ?
お前が出そうとしている答えが見つかるかもな。」
そういって彼は去っていった。
「ありがとう・・・。伯父さん。」
昼間の青空が、黒色に変わっていく。
しかし、ケーンは、そのことを気にせず。
洞窟を出て行く。
この島を守りたい。
この森を守りたい。
そんな信念を胸に、彼は、駆けて行った。
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