突然だった。
突然、強い光で目がくらみ、計り知れない風力で飛ばされた。
ウェズは、暗闇の中で目を覚ました。
暗闇の、小さな部屋。
手を伸ばして、その部屋の大きさを確認した。
真っ暗で、何も見えない。
ただ、体はもう大丈夫のようだった。
すると、誰かがこの部屋に入ってきた。
何処にでもいそうな、少し背の低いおじいさんだった。
「気が付いたようじゃな。」
「ここは?」
「わしの山小屋。」
「あなたは?」
「あぁ、わしは、ここの山小屋に住んでいる。」
「あの〜。泊めていただいて、ありがとうございます。
けれどどうしてオレを・・・。」
「人助けじゃよ。」
「(何か動機が不純のような。)」
老人は笑いながら続けた。
「ホッホッホ。もう動けるかもしれんが、まだ傷は完治しとらんから
ゆっくりしてきなさい。」
「いや、早く先へ進まないと。邪魔しました。」
「君、ポケモントレーナーじゃろ。
わしと一戦やらんかの。
たまには若いのとふれあうのもよかろう。」
二人は外へと出た。
外は快晴だった。
ところどころ、水溜りがあったものの、土の大半は乾いていた。
「ルールは、何をしてもよい。
しかし、ポケモンで戦うように。」
ボールは、開いた。
戦いは始まった。
「強い・・・・・・。」
老人の出したノコッチは、一瞬にしてウェズの手持ちを全滅させた。
「だが、キレはよかったぞ。」
「ありがとうございます。では、これで・・・。」
ウェズは、突然思い出したように言った。
あ、そうだ。あのぉマスターって人は、どこに住んでいるんですか?。」
老人は、少し黙ってから言った。
「ここにいる。私がマスターである。」
「あ、あなたがマスター・・・。」
「本名ではないが、そう呼ばれることが多い。」
ウェズは、さほど驚かなかった。
これだけの実力の持ち主だ。
彼がマスターであってもおかしくはないはずだ。
「あの・・・。ここで・・・。」
ウェズが言いかけたとき、
ウェズの気持ちを察したのか、
マスターは、こう言った。
「いいじゃろう。だが、覚悟しておけ。」
「はい。ありがとうございます。」
「そうじゃ。お前に会わせたい人がいる。」
「会わせたい人・・・?」
「あぁ、まぁお前の修行仲間じゃな。」
すると、隣の部屋から、自分と同じくらいの歳の少年が現れた。
その少年は、ケーンという名前らしい。
ウェズは、何処かで見たことがあるような気がした。
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