シャトル団アジトにて

「また、任務をしくじったようだな。」
幹部の一人が、一人の少女に言った。
この少女は、団員の一人だ。
「や、約束はどうなるんですか?」
「知らないな。まぁ任務をしくじったんだ。
 どうなろうと不思議じゃないけどな。
 そして、この後の会議に出席するよう、ボスの通達がさっききていたぜ。」
その少女は、つばを飲み込んだ。
「そこで処分は決定するだろう。」

その後の会議にて。
「今後の作戦について・・・だ。」
一人の男性が、こう切り出した。
彼が、ここのボスだ。
「ウェズの始末については、スノウ、お前一人でやってもらう。」
「は、はい。」
どうやら処分についてはないようだ。
スノウは、安心した。
「だが、次、しくじるとどうなるかわかってるな。」
まだ任務は、継続しているのだ。
安心はできない。
「三度目は、裏切るな。」
この言葉が彼女に更にプレッシャーをかけた。

ある山小屋にて。
「どっかで会ってなかったっけ?」
ウェズは、ケーンにそう言われた。
「え?あ、あぁ。」
ウェズにとってはどうでもいいことだった。
おそらく、ケーンにもどうでもいいことだと思っているはずだ。
「まぁどうでもいいか。」
そうだ、どうでもいいことなのだ。
ここに来るまで話したことのない人と会っていても分からないだろう。
しかし、ウェズは、覚えていた。
アロータウンでぶつかった少年だ。
ケーンも気付いていると思うけれど、おそらく知らないのではなく、
確認のために聞いてきた、とウェズは推測した。

マスターが、その会話に割り込むように言った。
「修行は明日からじゃ。」

「お互い、弟子同士、頑張ろうぜ。」
ケーンが言った。
「わ、わかった。」

翌朝
マスターの修行が始まった。
転がってきた多くの大岩を破壊したり、流れてく丸太で、川を渡るなどといった、実践的ではなく、単調な修行だ。
少しでも、気をぬくと、大怪我につながりかねない。
だから、一時でも気を抜けない。
体力的な、というよりも精神的な修行のようだ。
二人とも、大岩を壊すことはできず、
避けるのが精一杯だ。

だけど、確実に力が付いていることは自分自身分かった。
証拠などないが、力は上がっている。

彼らは、互いに助け合いながら、修行をこなしていった。
修行開始から一週間がたとうとしていた。
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