ウェズは小屋を出て行った。
「ふぅ」
マスターはウェズが出て行ったのを見送ると椅子に腰掛けた。
数分後。
外からドアをノックする音が聞こえた。
その瞬間、何者かが入ってきた。
ロビーだ。
「何か用か?」
そうマスターが尋ねた。
「いや。特にありませんが。」
彼らは少し黙っていた。
やがてロビーが、話を作った。
「彼らはどこです?」
「あいつらは・・・いま、ここにはおらんよ。」
「修行・・・ですか?」
「まぁそんなところじゃ。
 彼らには石を持ってくるよう支持してある。」
「まさか、あの石ですか?なぜ?」
「奴等が、あの石を狙ってるんじゃよ。」
「なぜ?」
「もともと奴等(=シャトル団)の目的は、
 この島の征服はもとより、他にもある。」
「・・・・・。」
「それは一つの伝説のポケモンを得ることでもある。
 そいつは石を使うことで呼び起こせる。
 だから奴等は石を狙っているんじゃ。」
「何故そのポケモンを?」
「おそらくは、この島か、そのほかの土地の征服じゃろう。」
「でも、その一匹だけで征服は不可能なのでは?」
「さぁなわしにもわからん。
 いろいろと調べてみたが、それがどのくらいの力を持つのか、
 はたしてそれだけで事を為す力があるのか、
 その力は未知数じゃ。」
彼は湧き出てくる興奮を抑え、落ち着いて続けた。
「ただ、わざわざ呼び起こさなくてもこの小島ぐらい、今すぐにも征服できそうだがのう。」
ロビーは、そのことばの数々を黙って聞いていた。
「だから、他の土地を狙ってるのではないのかと思う。」
何のために、ロビーは意味が分からなかった。
確かに、シャトル団によってこの島では様々な事件が起こっている。
しかし、他の土地を征服するなら、ここで事件を起こす必要があるのだろうか。
伝説のポケモンにせよ、あくまで「伝説」だ。
本当に存在するとは言い切れないのだろうか。
ただそのポケモンが事件に関わっているのだろうと、そういう予測はついた。
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