謎の男はマルマインをくりだした。
「やれ。」

その瞬間、マルマインは“だいばくはつ”を起こした。
村長はその爆風で大きく吹き飛ばされた。
村長の家は跡形も無く散った。
そこにはむなしく煙が立っていた。

村人達は、大騒ぎしていた。
いきなり村長の家が吹っ飛んだからである。
何故爆発したのか、彼らにはわからなかった。
ただ、爆発間際に村長宅から出て行った、謎の男が関わっているということは分かっていた。

その男が戻ってきた。
一人の男を伴って戻ってきた。
その男たちは村長が倒れているところへ寄ってきた。
村人たちはまた騒ぎ始めた。
村長に何をした?だの、出て行けなど、ともかく彼らはその男たちに警戒心をむき出しにした。
「ギル、あいつらを黙らせろ。」
ギルと言う男は、村長宅を爆破させた男の部下のようだ。
ただこの男は、命令を素直に聞いているようではなかった。
「イヤですね。」
「命令だ。やれ。」
ギルは渋々、ポケモンを出した。
サンダースだった。
「ギル、俺は先に行く。後でついて来い。」
ギルは不気味な笑みを浮かべて言った。
「わかった。」

一方、街中は惨状だった。
建物は倒れ、人々もまた、折り重なるように倒れ、
瓦礫の下には大勢の人がいた。
ロビーとクローは、その衝撃に呆然と立っていた。
「皆死んじゃったのか?」
「いや、わからん。だが、生きているものは早急に・・・。」
ロビーとクローが人々を瓦礫から助けようとしたそのとき・・・。
「待ちなさい!!!」
彼らは振り返ると、そこには一人の女とそれの取り巻きのような人間がたくさんいた。
「お前らがこの町を・・・?」ロビーが怒りを心にとどめながら言った。
「ええ、そうね。私たちがこの町を襲撃したのは事実。」
「なんのつもりだ?」
「これから死ぬあなたに答えることは無いわ。」
そういうとその女の取り巻きは、一斉にポケモンをくりだした。
そして彼らは、ロビーとクローを攻撃し始めた。
ロビーとクローは避けるだけで精一杯だった。
攻撃の連続が、彼らに反撃する余地も与えない。
彼らは一旦、引いた。
「くそ!何のつもりだ!!!」
「ロビー、ここはこいつ等の攻撃をくぐり抜けるしか・・・。」
ロビーは大きくうなずいた。
「あぁ、分かってる。ゴローニャ!!!」
ロビーはゴローニャを出すと、“じしん”を指示した。
クローはエアームドを出し、空中に一時避難した。
ゴローニャの“じしん”は、連中の足場を崩してゆく。
「ロビー・・・。よおし、こっちだって!!!」
エアームドも“スピードスター”で応戦。
彼ら二人の攻撃は、一瞬で連中を撃破した。
「残るはあんただけだ。」
ロビーはあの謎の女に向かって言った。
「大人しくここから出て行け。」
クローが援護する。

「ふ、ふふふ。あなたたちコレで勝ったつもり?」
その女は不気味に笑って見せた。
「強がりを!!」
「強がりはあなたでしょう?」
その女はポケモンをくりだした。
「私の名はネロ。シャトル団の幹部!!!」
ネロはラプラスを出した。
「(氷タイプか・・・。分が悪い。)ロビー!!!ここは一旦引いたほうが・・・。」
「う・・・。」
「こっちのタイプは、地面に飛行がある!!!2vs1とはいえ、不利だ!!!」
ロビーも後ずさりを始めた。
タイプ不利じゃなく、何か不気味なものを、彼は感じた。
「あら、逃げるの?でもこの子はどうするのかしら。」
ネロは、一人の幼い少年の腕を掴んだ。
この街の襲撃から捕らわれていたようだが・・・。
その少年の体は傷だらけだった。
「逃げると、ただじゃおかないわよ。」
ロビーとクローは踏みとどまった。
戦うと決意したのだ。
「ラプラス!!!“れいとうビーム”。」
「(タイプ不利、やっぱりついてきたか・・・。)
 ゴローニャ!!!“まるくなる”」
ゴローニャはなんとか持ちこたえた。
「あら、少しはやるようね。」
「よそ見してていいのかい?」
クローが空中から応戦する。
「“はがねのつばさ”」
“はがねのつばさ”が、ラプラスに当たる。
“れいとうビーム”の反撃も“こうそくいどう”で乗り切った。
「すこし見くびっていたようだわ。」
ネロが、次の技を指示する。
ラプラスは力を溜めるためなのか、鳴き声を上げた
「(二匹まとめて倒す気だな。だとしたら“ふぶき”か“なみのり”!!!)
 ロビー、一旦距離を置こう。」
ロビーとクローは、距離を置いた。
ラプラスは予想通り“ふぶき”で攻撃してきた。
「流れはこっちだ。クロー!!!これで最後にするぞ!!!」
「させないわ!“ハイドロポンプ”!!!」
冷気で凍らされた水流は大量の飛ぶつららとなって高速のスピードで彼らを襲う。
クローはひるんだ。
だが、ロビーには勝機があった。
「ゴローニャ!“ころがる”!!!」
ゴローニャは飛ぶつららをものともせずネロの下へと突っ込んできた。
さすがのネロもこれには臆した。
「エアームド!!!“スピードスター”」
クローとエアームドも最後の力を振り絞り、“スピードスター”を放った。
それはネロが少年を掴んでいる手に当たった。
「あ!!!」
少年は隙を突いて逃げ出した。
だが・・・。
「もういいわ!!!ラプラス、あの少年に向かって“ハイドロポンプ”!!!」
その少年は大量のつららを浴び、倒れた。
「何をする!!!だが、これでお前も終わりだ!!!」
“まるくなる”で威力が倍増した“ころがる”がラプラスとネロに当たった。
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