ロビーはある洞窟へと来ていた。
「久しぶりだな。」
ロビーが言った先には彼と同じ歳ぐらいの男性、クローがいた。
「あぁ、ロビーか。何か用?」
「何か用?って・・・。まぁいい。説明する。」
ロビーは石を保護するよう言われたことなど
いままでのいきさつを話した。
クローはしばらく何も言わなかったが、
やがて口を開いた。
「つまり、奴等がまた動き出した、ということ?」
「いや、そこまでは言ってなかったが・・・。」
「でもやっぱり今までこんな任務言い渡されてなかったから、やっぱり・・・。」
彼らが、シャトル団がこの島の襲撃を再開したか否かを話し合っていると、外に誰かいるような気配がした。
「誰か・・・いるのか?」
ロビーは気配に話しかけるようにそう言った。
「野生ポケモンだったんじゃないの?」
クローが暢気に言う。
「いや、誰かいる。」
ロビーはフーディンを出すと、気配のするほうに
“サイケこうせん”を放たせた。
洞窟の壁は壊れ、洞窟内で爆音が反響する。
そしてその後、奇妙な沈黙が流れた。
「誰も、いないようだな。」
ロビーがふぅとため息をついたとき、
何か鈍い音がした。
振り返るとクローがうつ伏せに倒れていた。
「おい、どうした?」
見ると、クローの背中には大きな切り傷が残されていた。
「う・・・。」
「しっかりしろ!!!」
「だ、大丈夫・・・けど、気をつけて・・・奴等が・・・ここに・・・。」
「え?」
やはり何かの気配が感じる。
そしてロビーにはそれが猛スピードで近づいてくるのを感じた。
「・・・・・。」
ロビーが息をのんだ瞬間、何か金属音がした。
エアームドだ。
クローは怪我をおして、エアームドを出していた。
そしてもう一匹ポケモンがいた。
ストライクだった。
「エアームド、“スピードスター”。」
ストライクは“スピードスター”を急所に受け、少しひるみ、一旦距離を置いた。
その隣には一人のトレーナーがいた。
そのトレーナーはいきなり口を開いた。
「石を奪いに来た。死にたくなければとっとと差し出せ。」

ウェズは崖を登っていた。
こんな時に飛行ポケモンが襲ってきたら・・・。
不安が脳裏をよぎるができるだけ考えないようにした。
不安と戦いながらも彼はようやく崖を登りきった。
「ふぅ。やっと登りきれた。」
彼は登山を続けた。
しばらく登り続けるとジャングルを抜けた。
その瞬間、彼の目には頂上が映った。
そこに火口があるかは分からないが一歩、また一歩と歩み続けた。
頂上付近まで行くと風が強く、風に押し倒されそうになったが、
彼は補伏前進する形で登り続けた。
そして、ついに頂上まで来た。
そこには大きな火口があった。
マグマこそはなかったものの大きな熱反応を感じた。
彼は火口の壁に洞窟のような場所を見つけた。
彼は、慎重にその洞窟へ行き、なんとかたどり着いた。
その洞窟は部屋のように壁が整理されており、
その“部屋”の真ん中には台のようなものがあり、
その上には“赤い石”が載っていた。
「マスターが言ってたのって・・・これのことかなぁ?」
彼は、迷いながらもそれを手に取ると、慎重に火口の壁を登った。
何かきもちわるいと感じながらも彼は下山を開始した。
順調に降りていき、ジャングルに差し掛かったところで後ろから声がした。
「オイ、小僧。」
彼が振り向くと、そこには大柄の男が立っていた。
「お前、その赤い石をどこで手に入れた?」
ウェズは答えることも無くまたすたすたと山を降りていった。。
「あぁ〜あ〜、しゃぁねぇな。」
彼はゴローンを出すと、ゴローンは“いわおとし”をし、それと共に“ころがる”で攻撃してきた。
「ゴローン、奪い取れ。」
ウェズは気付いた。
「(まさか、登るとき襲撃してきたゴローンはこいつの・・・?)」
ウェズは足を早めた、走っていた。
ジャングルだらけだった視界が一瞬空になった。

崖だ。

ウェズは立ち止まれずに崖から落ちていった。
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