洞窟ではロビーとクローが戦っていた。
「大丈夫か?」
ロビーがクローに声をかける。
「あぁ・・・。」
クローはなんとかロビーの問に答えるものの、
ロビーはクローが辛い事を悟っていた。
「あの男、一体何者だ?」
「さぁ・・・。フォレスとか・・・言っていたけど・・・。うぅ・・・。」
背中の傷が痛む。
ロビーはクローに
「少し休んでろ。」と言うと、フーディンと立ち上がった。
「ほほぅ。やる気か。」
フォレスと名乗る男は冷やかすように言った。
「石を奪うとか言っていたな。」
「それがどうした?」
「お前の目的ってのは何なんだ?」
フォレスは鼻で笑うと、少し高い声で言った。
「知るか。」
「ならなぜだ?」
フォレスは答えずにストライクに指示をした。
「ストライク!!!“みねうち”。」
ストライクがロビーに攻撃をしようと突撃してきた。
ロビーはかろうじて避けた。
「フーディン!!!“サイケこうせん”!!!」
ストライクに“サイケこうせん”が当たった。
と、思ったがストライクが消えた。
ロビーはすぐさま耳を澄ました。
「(どこだ・・・。)」
ジャリ。
「そこだ!!!フーディン!!!」
フーディンは、ロビーが支持した先に“サイケこうせん”を放った。
そこには突っ込んできていたストライクがいた。
「ストライク!!!よけろぉ!!!」
しかし、ストライクは避けきれず、直撃した。
大きな音がしたかと思うとストライクはその場に崩れ落ちた。
フォレス、ロビー、両者はしばらく黙ってにらみあっていた。
沈黙が流れる。
その沈黙をぶった切るようにフォレスが大きな声を出して笑った。
そして笑い疲れたように続けた。
「ばれていたかぁ。“かげぶんしん”。」
「痛い目を見る前にここから立ち去れ。」
ロビーは怒りをおぼえていた。
「悪いが、こっちも任務だ。
 そう簡単には引き下がれねぇよ。」
そう言った瞬間ストライクが分身した。
「また“かげぶんしん”か。
 先程その戦法が私には効かないと実証したが?」
「同じだと本気で思ってんのか?」
「何?」
その瞬間、大勢いたストライクが全部消えた。
「なんだ!!??」
ロビーが焦る。
そして隣で何か打撃音がした。
「フーディン!!!」
フーディンが連続で攻撃を受けている。
しかし、相手は見えない。
何が起こっているのか、ロビーには分からなかった。
だが見えない敵をどうにかする必要がある。
「ロビー!!!“れんぞくぎり”だ!!!これ。」
クローが大声で叫ぶ。
「ストライク!!!」
フォレスが叫んだ。
するとクローにも攻撃が加わる。
「ぐあっ!!!!!」
「クロォーーーー!!!」
「ギャラリーが・・・。おとなしく見ていろ。」
フォレスは怒りに満ちた表情で言った。
「てめぇ!」
ロビーも怒りに満ちた。
「ロ・・・ビー・・。落ちつい・て・・。考え・・・。」
クローはそう言いかけたところで力尽きた。
「オイ!!!」
ロビーがクローに近づこうとすると、何かが攻撃によって遮った。
やはり見えない敵のようだ。
ロビーは考えた。
おそらくこの見えない敵の正体はストライク。
この謎の攻撃は“れんぞくぎり”だろう、と。
しかし、敵の攻撃が判ったところで防ぎようが無い。
彼は考えた。
その間にもフーディンの体力が減っていく。
もう時間は無い。
すると、フォレスが口を開いた。
「フン。お前ごときがトレーナーを名乗るとはな。」
「なんだと!!!」
「お前の頭が悪いせいでフーディンを見殺しにするってことだ。」
ロビーは何も言えなかった。
だが考えている暇は無い。
一か八か、ロビーはかけに出た。
「フーディン!!!」
ロビーはそう叫んだが、何も起こらなかった。
「ばかばかしいぜ。とどめだ、やれ、ストライク。」
ストライクが姿を現したかと思うと、また消えた。
ロビーとフーディンにはストライクがものすごいスピードで向かっていることを悟っていた。
そして消える原理も分かっていた。
フォレスが叫んだ。
「これで終わりだ!!!!!」
しかし、ストライクはロビーたちの前で止まっていた。
フォレスは驚いた表情で叫んだ。
「何故だ!!!」
「フーディン!!!“ちきゅうなげ”」
フーディンはストライクをつかむと軽く投げ飛ばした。
形成が逆転した。
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