ウェズとスノウはサンタウンの入り口にいた。
彼らはすぐに街へ入り、アジトへ行こうとするが、
街中はシャトル団の人間でいっぱいなので迂闊に入れない。
「どうやってアジトまで行く?」
「大丈夫。まかせて。ダグトリオ!!!」
彼女はダグトリオを出した。
「“あなをほる”。」
ダグトリオは地面を掘り出した。
そしてダグトリオが掘った後には人一人がやっと通れるだろう穴ができていた。
スノウが先に穴の中に入って行き、ウェズはそれに続くような形で穴に入っていった。
穴の中はひんやりとしていて暗かった。
「デンリュウ!!!“フラッシュ”。」
ウェズが出したデンリュウが光を灯した。
その穴はかなり長く続いているように見えた。
するとダグトリオが戻ってきた。
「最後まで掘ってきたようね。お疲れ様。」
ダグトリオはボールに入り、スノウの手に納まった。
その頃、アジトでは・・・。
薄暗い大きな部屋で、ナルクとネロが一人の人物の前で片膝をついて座っていた。
その人物とはゲルマ(=ボス)だった。
「よくやった。ナルク、ネロ。」
ナルクとネロがボス(=ゲルマ)に青と赤の石を渡した。
「これで、あれを呼び出すことができる。」
「はい。ですが・・・。」
ナルクが何か言いかけた。
「どうした?ナルク。」
「実はウェズという子供を取り逃がしてしまいまして、
我々の野望の妨げになると思われます。」
「任務は・・・完璧にこなせていなかったようだな。」
「す、すいません。」
「だが、こんなこともあろうかとスノウにあの子供を始末するという任務を課せておいた。」
「ダメです。」
ナルクがとっさに言った。
「何が・・・だ?」
「あの子供を見くびらない方がいいです。」
「どうしてだ?過去にスノウは取り逃しはしたものの勝負には勝っていたではないか。
あの子供の力量ならばスノウで十分だろう。」
「いいえ、あくまでもそれは過去です。
今は・・・違う。必ず我々の脅威となるでしょう。」
「・・・・・・・・。」
ゲルマは何も言わなかった。
「スノウもあの状況でこの組織に身を置いています。
あの子供の力量を認めれば寝返ることも・・・。」
「フン。確かにスノウの力量は組織の幹部候補レベルであるが、お前たちの敵ではないはずだ。
何を怯えている。それに・・・。」
ゲルマが笑みを浮かべるとこう続けた。
「我々には切り札がある。」
ゲルマはネロのほうを見ると、こう言った。
「お前のガキの方は始末したか?」
「えぇ。確実に仕留めました。」
「フフ。上出来だ。
お前たち、指定された地へ行くのだ。
今夜、我々の野望を果たす。」
ナルクとネロが立ち上がり、部屋から出ようとした。
「まだ姿を見せないフォレスにも後を追わせる。行け。」
しばらくすると何か金属製の壁にぶつかった。
「何だ?これ。」
「ここがアジトの壁のようね。」
「どうやって中に?」
「ブースターで壁を熱するの。」
ウェズはブースターを出した。
「壁から離れて!」
彼らは壁から距離をとった。
「“かえんほうしゃ”。」
“かえんほうしゃ”で熱せられた壁が赤く変色する。
「イノムー!!!」
彼女はイノムーを出した。
「少し狭いけどお願い。」
イノムーは“こごえるかぜ”を起こした。そしてその後、壁に向けて“とっしん”した。
壁はもろく崩れ去り、大きな穴が開いた。
「さぁ行くわよ。」
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