ウェズとスノウは壁からアジト内へ侵入した。
「アジトって地下に存在していたんだな。」
「えぇ。この組織はあくまで地下組織。
そんな公にわかる様なところになんて存在しないわ。」
アジト内は薄暗く、物静かだった。
彼らが廊下を歩くと足音がよく響き、見つかるんじゃないかとウェズはびくびくしていたが、
スノウはそんなのには気にせず歩いていた。
「誰もいない。」
「団員の殆どが作戦の持ち場についてるはず。
だからアジトに残っている団員はかなり少ないと思うわ。」
「君のお父さんは・・・。」
「ここにはいないと思う。」
「・・・・・。」
「私はこの戦いが終わればジョウトに行こうと思う。
そして・・・・・。」
スノウが喋るのをやめた。
「どうした・・・。」
「静かに・・・。」
スノウがある部屋で立ち止まった。
その部屋はガラス張りなので外から様子を見ることが可能だった。
中をのぞいてみるとパソコンがたくさんあった。
そしてその部屋の真ん中で男が一人、こちらに背を向けて座っていた。
おそらくこの組織の下っ端だろう。
この部屋の管理を任されているに違いない。
「ここがコンピュータールーム。」
「ここで何を・・・?」
ウェズの問いかけにはスノウは答えず、ウェズに部屋の中へ入るよう促した。
「部屋に入って何を?」
「あの団員を倒すのよ。」
「え・・・・・?」
「いいから。」
ウェズが部屋に入った途端、その団員は振り返り、
ウェズが侵入者だと認めるとすぐにポケモンを出し、攻撃を開始した。
「侵入者か!!!これでもくらえぇぇ!!!」
団員はラッタを出し、そのラッタは“いかりのまえば”でウェズにくらいついてきた。
「ナッシー!!!」
ナッシーの“たまごばくだん”の爆発にラッタは団員と共に巻き込まれ、彼らはその場で気を失った。
スノウはすぐにウェズに続いて部屋の中に入った。
「少し無茶だったけど何とか部屋へ入れたわね。」
「で、この部屋に入ってどうすんのさ。」
「情報を抜き取る。」
スノウはパソコンをいじりだした。
「恐らく作戦内容とかはこういうパソコンの中にあると思う。
だから、その情報を・・・。」
指を走らしていたスノウだったが、その指が止まった。
セキュリティに引っかかった。
このパソコンの中の情報を読み取るにはパスワードが必要のようだ。
「やっぱりダメか・・・。ポリゴン!!!」
彼女はポリゴンを出した。
するとポリゴンは近くにあった転送マシンのところへ行き、そして消えた。
「き、消えた・・・。」
「ポリゴンは電脳空間を移動できるの。
その能力を使ってこのセキュリティを解除すれば・・・。」
いつの間にかパスワードが解除されていた。
「さぁこれが奴等の・・・。」
『ムーンタウンにあるといわれている碑を探し出し、その碑の意味を解読する。
その碑に書かれている文字の読み方の公式は持参の書で確認。
解読次第、全団員に無線で知らせる。』
「ムーンタウンってどう行けば・・・。」
スノウはウェズに行き方を教えた。
「まぁ一緒に行くんだから私についてけば・・・。」
彼らはコンピュータールームから出た。
そしてまたあの穴の所へ行った。
「今すぐ行かないと・・・。」
彼らはまたあの長い穴を進むことになった。
「ギ、ギル・・・。」
崩れ去った洞窟の前でフォレスが倒れた。
「フォレス。貴様は勇敢だったとボスに伝えておこう。」
ギルは倒れているフォレスを見下ろした後、その場を去った。
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