「ならこの戦いはお前の戦いの対象外・・・そうだろ?」
ウェズは何もいえなかった。
「じゃぁな。オレは今からあいつらを倒しに行く。
 ウェズ・・・お前は本土(ジョウト、カントー)に帰るのか?
 だったら早くしたほうがいい。襲撃が初まっているからな。
 今日の午後6時の定期船・・・あと1時間しかないが、それが最後の『脱出船』となるだろう。
 もっとももう乗れないかもしれないが・・・・。」
「ケーンこそ戦う理由が・・・。」
「サンタウンまで1時間ぐらいかかるから早く行った方がいいぜ!!!。」
ケーンがウェズの言葉をさえぎるように言った。」
「ケーン?」
「早く行けよ。」
「おい!!ケーン!!!」
「行けって!!!!!」
ケーンが声を荒げた。
「お前には・・・。」
ケーンは一瞬ウェズの方を振り向き、ウェズをじっと見た。
「関係ないだろう?」
ケーンは街へ走っていった。
ウェズの静止を無視して・・・。
「無理よ!!!
 あそこを強行突破するなんて・・・。」
「オレたち3人なら・・・。いけるかもな。」
ウェズがつぶやいた。
「3人でも無理よ。」
「でも、あのままじゃケーンは・・・。」
「別にいいわ。
 私たちは私たちで侵入を考えましょう?」
ウェズは呆然とケーンの行方を眺めていた。
ケーンが数多くの団員と戦っている。
勢いでケーンが団員を圧倒しているが
傷を負い、血を流している。
差し込む夕日がいっそうその血を赤らめた。
「ウェズ?」
「オレ、やっぱり・・・。」
「何言ってるの?私たちまで・・・。」
スノウがそう言い掛けた瞬間、ウェズは駆け出していた。
「ウェズ!!!」

「ここを通せ!!!」
ケーンが叫んだ。
敵は20人ほどいるだろう。
一人一人ポケモンを連れていた。
カラカラ、ウィンディ、ウツボットetc・・・・。
団員たちは返事の変わりに攻撃を加えた。
「カラカラ!!!そのガキを黙らせろ!!!」
カラカラがケーンに骨攻撃をしようとする。
「ゴーリキー!!!」
ゴーリキーを召還させるとすぐに攻撃を命令した。
「“あてみなげ”!!!」
ゴーリキーはカラカラの骨をつかみ、
カラカラごと地面にたたきつけた。
カラカラは一発で戦闘不能になった。
「やるな!!!だがこの攻撃はどうかな?」
カラカラのトレーナーとは違う団員がウィンディを連れてきた。
それからすぐにウィンディが消えた。
「消えた!!!」
そう言うまもなく、ケーンは背中に強い痛みを覚えた。
「痛ぁ!!!!!」
彼はウィンディに背中を“かみつかれて”いたのだ。
ゴーリキーが、ウィンディがケーンに離れるように、“からてチョップ”で攻撃する。
その攻撃の余波はケーンにまで響いたがウィンディは何とか引き離すことに成功した。
しかし、ケーンは背中に大怪我をし、戦える状態ではない。
「フン!!!ここまでのようだな!!!ウツボット!!!!!」
ウツボットはケーンとゴーリキーの手足にツルを巻いた。
「うぐ・・・。」
彼らは身動きができなくなった。
「フフフ!!!動けなくなったか・・・。
 早く楽にしてやろう。出でよ!!!ギャラドス!!!!!」
団員から放られたボールから巨大な龍が出てきた。
その凶悪そうな龍の目は獲物(=ケーン)を見るなり、血に餓えたような目になった。
ケーンはその龍の周りに黒い空気が流れているのを感じた。
いつもより大きくも見えた。
「やれ、ギャラドス!!!」
冷酷な感情を含んだその言葉とともにギャラドスがエネルギーを収束した。
「(やられる!!!!!)」
ケーンが覚悟した。
そして・・・・・。
「“はかいこうせん”!!!!!」
そのエネルギーはケーンとゴーリキーへ一直線に進んでいく。
そしてそのエネルギーは巨大な爆発音と爆煙を伴い、破裂した。
「フン。死んだか。まぁ我々にたてつくのが・・・・・。」
団員がそう言いおうとしたとき、彼は一人の姿を確認した。
ケーンのほかの存在だ。
「誰だ!!!」
そのとき、爆煙が晴れ、その存在が明らかになった。
そしてその存在自らが自分の正体を明らかにした。
「オレの名前はウェズ。
 マスターの弟子で、ケーン、彼の友達だ!!!」
そのウェズと名乗る少年と彼の手持ちであるツボツボが爆煙の中から現れた。
「うぇ、ウェズ!!!」
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