ケーンははさみうちにされた。
「ふふふ、これでお前も終わ・・・。」
ケーンが尋問していた団員は力尽きた。
「やばい!!!」
ケーンは力尽きた団員から手を離し、
あわてて自分のボールに当てた。
そのときだった。
「うわっ!!!!!」
彼は急に地面に引きずり込まれるような感覚を覚えた。
そして、彼は無かったはずの、穴に落ちたのである。
「いててて、こんなところに穴なんてあったか?」
ケーンが頭を抑えながらそんな独り言を言っていると
後ろから誰かが近づいてくる気配がした。
ケーンは後ろを見たが真っ暗闇で見えない。
思ったより穴は長く、そして広く出来ているらしい。
ケーンが不思議に思っていると、
その気配が声を発した。
「いや、元々ここには穴が無かった。」
ケーンがその気配がするほうを見た。
「ウェズ!!!!!」
その気配の正体はウェズだった。
「お前!!!どうしてここまで!!!」
ケーンが叫んだ。
「こっちに来て。」
ウェズはケーンの手をつかんだ。
「どうして?」
「いいから!」
ウェズはケーンを穴の奥まで誘導した。
「ウェズ、どうやってここまで穴を掘ったんだ?」
「え?」
「お前だろう?この穴掘ったのは。」
「いや、オレじゃないんだ。」
「え?じゃぁ誰が・・・。」
ウェズはケーンの後ろを指差した。
ケーンが振り返るとそこには一つの影があった。
「スノウ?」
この穴の製作者はスノウだった。
そう、彼女はダグトリオを使ってこの穴を掘った。
この穴を掘る前にスノウとウェズはケーンのピンチに気付き、
こっそりケーンの真下まで穴を掘り進めていたのである。
「さぁ早く行きましょう。
まいた団員達もすぐにこの穴を見つけ、追いかけてくるわ。」
スノウはダグトリオを繰り出した。
「ダグトリオ、“あなをほる”!!!。」
ダグトリオは穴を掘り始めた。
「行くってどこへ?」
ケーンが聞くと、ウェズが答えた。
「あいつ等の首領の元へ。」
「知ってるのか?」
ケーンはウェズに尋ねたが、
ウェズハはスノウの方を見てうなずいた。
その直後、スノウが答えた。
「えぇ、知ってるわ。」
「さぁ、行こうか。ナルク、ネロ。」
「フォレスが来てませんが、いいのですか?」
ナルクが指摘するとゲルマ(=ボス)は困った。
「む、そういえばそうだな。
だが、待っているのも時間が惜しい。」
ゲルマはしばらく歩きながら考えた後、
ネロのほうを指差して言った。
「ネロ!!!」
「はい。」
「お前はしばらくここでフォレスを待て。」
そういうと彼はトランシーバーのような通信機器をネロに手渡した。
「連絡があったら合流して来い。
どこへ行くかは次の連絡時で話す。」
「わかりました。」
「よし、じゃぁ行こうか、ナルク。」
「この辺ね。
ダグトリオ、急上昇!!!」
ダグトリオはその指示を聞くと、
真横から斜め上へと方向転換をしてそのまま再び穴を掘り始めた。
しばらくすると、ダグトリオがいるほうから光が差し込んできた。
「出口だ。」
彼等3人は穴の新たな出口めがけて進みだした。
ようやく外へ出ると、ここはどこだろうか、
真っ暗な洞窟だった。
「どこだ?ここ。」
「街の中じゃねぇの?」
「そうよ。」
確かにすぐそこに家々が見える。
「本当に奴等の居所を知っていたんだろうな?」
「えぇ。ちゃんと地図まであのパソコンから抜き取ってきたから。」
彼等がそんなやり取りをしていると
ウェズは洞窟の奥から人影があるのを見た。
「誰か、いる!!!」
彼がすかさずそういうと、他の二人もその方向を見た。
すると、その人影は三人に語りかけてきた。
「お前達だな?我々の邪魔をするのは。」
その人影は3つだった。
それはゲルマ、ナルク、ネロだった。
「お前達3人をここで始末する。」
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