「お前達をここで始末する。」
ゲルマはそういいながらモンスターボールに手を当てた。
それに対してウェズ、ケーン、スノウの3人は警戒した。
いつ始まってもおかしくない戦闘、
ゲルマの方は余裕といった感じだが
ウェズ達はそれと対照的だった。
彼等の様子を見たゲルマはフン、と鼻で笑うとこう言った。
「まぁ待て、お前達。」
ゲルマはモンスターボールから手を離した。
「お前達は運がいい。」
「どういうことだ!」
すかさずケーンが叫ぶ。
「お前達は我等の建国の瞬間が見られる、そういうことだ。」
「どういうことだと聞いてるんだ。」
ケーンはそういうとゴローンを繰り出した。
「“じしん”!」
ゴローンは地面を強く叩き始めた。
・・・・・はずだった。
ゴローンは動きが止まった。
「どうした?ゴローン。」
ゴローンは戦闘不能になっていた。
「な、なぜ?」
「わからぬか?」
ゲルマが嘲笑する。
その後ろには、カイリューがいた。
「れ、れいとうビーム!!!」
「ご名答だよ、ケーン君。」
「やろぉ!」
ケーンはさらに憤りを感じた。
「そこで吠えているがいいさ。お前達には私を止められない。」
ゲルマは指を鳴らした。
すると、それが合図といわんばかりにカイリューが“たつまき”を発生させた。
「ナルク、ネロ。後は頼んだぞ。」
彼は姿を消した。

やがては竜巻が消えた。
ウェズ達3人は何とかその攻撃に耐えたようだ。
しかし、油断はしていられない、彼等はわかっていた。
幹部2人が彼等の様子を窺っていた。
本当の戦いはこれからだ。
3人対2人、数の上ではウェズ達のほうが有利だが
相手は敵の幹部。
どれだけの実力があるか分からない。
ふとケーンがウェズにささやいた。
「お前は敵のボスを追え。」
「え?」
「追うんだ。」
「でもお前、相手は敵の幹部だ。2人だけで・・・。」
「ここで潰している時間は無い。
 一刻も争う事態だ。
 おそらく奴は自分の野望を達成させるために今から何かするつもりだろう。
 その野望とは。」
ケーンが言いかけたとき、ケーンは突然ウェズを押した。
するとウェズがいたところには“りゅうのいぶき”の波動が通過した。
「そこで何を相談しているの?
 あなた達、私達を止めようとしているようだけど
 そういうようなことをする人は・・・、わかってるわよね?」
ネロは更に攻撃を続けようとする。
「とりあえず奴を追え。奴の目的地は。」
また“りゅうのいぶき”だ。
これを発しているのはキングドラだと彼等はようやく認知できた。
その攻撃の嵐の中でケーンは叫んだ。
「サンタウンの郊外の遺跡・・・だ。」
「わかった。」
ウェズはゲルマを追い始めた。
しかし、攻撃に夢中なネロに対し、ナルクはその一連の会話を見逃さなかった。
「そうはさせん。エビワラー!」
エビワラーのパンチがウェズを襲う。
そしてパンチが彼を捉えた・・・はずだった。
しばらくエビワラーはウェズに寸止めした形で固まった。
「エビワラー?」
エビワラーは倒れた。
そこにはソーナンスがたっていた。
「“カウンター”、だと?」
「残念ながらお前の相手はあいつじゃなくてオレだ。」

そのころ、ゲルマはサンタウン郊外の遺跡近辺まで来ていた。
「追ってくるもの無し。私の野望は達成された。」
彼は航空として乗っていたカイリューに着陸を指示し、着陸すると、地に着いた。
「さぁ、行こうか。」
ゲルマが行こうとしたときだった。
「待て!!!」
後ろから声がした。
彼が振り返るとそこには・・・。
「き、貴様は、ギル!!!」
「久しぶりだなボス。いや、ゲルマ。」
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