ゴーリキーは目を閉じた。
「ケーン?一体・・・。」
次の瞬間、ゴーリキーはある方向に指差した。
「そこだ!」
「え?えぇ。ハクリュウ!“りゅうのいぶき”!」
ハクリュウが放った光線は黒煙を切り裂いた。
その先にはネロとナルクが・・・。
「どうやってあの中から!」
ネロは驚きを隠せなかった。
しかし、ナルクは平然としている。
光線が切り開いた道をゴーリキーとケーンが疾走していく。
ネロは光線の威力に臆し、避けた。
かろうじて、だったが。
「ナルク!!!」
ナルクは直撃を受けたようだ。
それを目の前で見ていたケーンは標的をナルクからネロに替えた。
「“クロスチョップ”!!!」
ゴーリキーの攻撃はキングドラを捉えた。
キングドラはかろうじて戦闘不能を免れたが殆ど戦える状態では無い。
「ゴーリキー、とどめだ!」
ケーンはそうゴーリキーに指示したはずだったが
ゴーリキーはキングドラにとどめをささなかった。
いや、させなかった。
「ゴーリキー?どうした?」
ケーンがゴーリキーをのぞき見た。
突然ゴーリキーが膝から落ちた。
「ゴーリキー!」
ゴーリキーはうつ伏せになって倒れた。
その後ろにはナルクの姿が・・・。
「“みやぶる”で我等の位置を・・・。こしゃくなマネを。」
そしてその傍らにはカポエラーがいた。
ケーンはゴーリキーの背中を見た。そこには傷が三つあった。
「“トリプルキック”・・・。」
「いかにも。そして先刻の光線を避けられたのは・・・。」
「“みきり”、だろ。」
「フフ。その洞察力、すばらしいものだ。
 だが、残念だがお前には我等の野望のため消えてもらおう。」
カポエラーが高速で回転し始めた。
「(また“トリプルキック”。)」
ケーンは身構えた。
カポエラーが向かってくる。
そのとき、突然砂塵が巻いた。
「う!!げホッ。砂煙か?」
ケーンは一瞬視界を奪われた。
その時間は短かったが、そのためにカポエラーを見失った。
「どこだ?」
ケーンは辺りを見回したがカポエラーはいない。
「探しているようだな。
 攻撃される前に見つけ出せるかな?」
ナルクの余裕な態度はケーンを更に焦らさせた。
「(どうする?ゴーリキーは次攻撃を受けたらもうダメだし、ソーナンスは作戦を破られた。)」
「フフ、悩め。悩めば悩むほど手玉に取りやすい。お前のような奴はな。」
「ヤロォ・・・。」
「フン。時間切れだ。カポエラー!」
ケーンは覚悟を決めた。
そのときだった。
「ダグトリオ!“じしん”。」
ダグトリオは激しく地面を揺らした。
そのとき、カポエラーがどこからとも無く現れた。
ケーンはダグトリオに指示した人がいるほうを見た。
「ス、スノウ!」
「何騒いでいるのよ。
 これは2対2の戦いよ。わかる?」
「あぁ、助け合いが大切、そういう意味だろ?」
ケーンが間を置いていった。
「それにしてもさっきどうやってカポエラーを倒したんだ?」
スノウはある一点を指した。
「穴・・・?“あなをほる”か。」
「えぇ、“あなをほる”をしている相手に“じしん”をすればダメージは2倍。」
「それくらいはしってるぜ。」
「あらそう?」
「覚悟は出来ているんだろうな?」
ケーンとスノウはその声がしたほうを見た。
ナルクとネロだった。
「ここまでやるとは思わなかった。
 もう手加減はしない。」
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