「何とか勝てたな。」
「えぇ。でもウェズを追えそうに・・・。」
「オレもだ。もう体が言うこときかねぇ。
後はあいつに・・・。」
燃え盛る炎の中からギルが現れた。
ゲルマはギルをじっと睨みつけ、彼から目をそらすと彼に答えた。
「組織を抜けたのは反乱を起こすためか?」
「あぁ。初めからお前の配下にいるつもりは無かった。
あの愚かな3人組と違ってな。
お前の元にいたのは、」
「私の元にいることで伝説のポケモンの情報を得ようとした。そうだな?」
ゲルマの言葉にギルは少し驚いた。
「ばれていたのか。」
「そうだ。お前があの会議で突然抜けると言い出す前からお前無しでの作戦を考えていた。」
ゲルマはギルにゆっくりと近づき、ギルは続けた。
「こうしてお前は伝説のポケモンに近づこうと考えた。
だがお前の誤算は予想より早く我々の作戦決行が行われたことだ。」
「ハハハ。そこまで知っていたのか。
そうさ、そのせいでオレはフォレスを消す手間が生じた。
まぁ幹部なら誰でもよかったがな。」
「フォレス・・・。道理であいつと連絡を取れないはずだ。
やはりお前が消したのか。」
「苦戦すると思ったがギア族の野朗と戦っている隙を突いて倒してやった。」
「そしてその手にある石・・・。」
「あいつから奪った。」
カイリューは再び空を舞い、イノムーは地を駆けた。
「待てギル。今から客が来る。」
「どういうことだ?」
「あいつが来るということだ。」
ウェズはようやくそこに着いた。
しかし彼はしばらくその様子を見ていた。
「(ゲルマ!!!でももう一人誰かいる。)」
ウェズはそのもう一人について考えていた。
「(部下?その割には様子が変だ。一体あれは・・・。)」
彼は決心した。
「(いや、あれが部下であっても時間が無い。もう行くしかないな。)」
彼はゆっくりとその二人に近づいていった。
足が緊張で震えているのに自分自身で気付いた。
そして大きな声で言った。
「ゲルマ!!!」
「ゲルマ!!!」
ウェズが叫んだ。
「なんだ?このガキ。」
ギルが怪訝そうにいった。
「ギルよ、こいつは私を止めるためにここに来た。
ということはこいつは、決別をしているが私と同じ目的を持つお前の邪魔をしにきたわけだ。」
「何が言いたい?」
ギルが反発した。
「ここは一時組んでこの邪魔者を消そうということだ。」
その言葉に対してギルはイノムーの氷攻撃で返事した。
「フフ、やはりな。それが答えか。」
「ふざけるな。お前とオレは敵だったはずだ。」
「いいだろう。私はお前達を全力で倒す。」
カイリューは空を舞った。
それを見ていたギルだったが突然ウェズにこういった。
「オレはゲルマの敵だが、お前の敵でもある。覚悟するんだな。」
ギルのイノムーの“れいとうビーム”がウェズの頬をかすめた。
「わかってる。オレもお前は敵だと思ってるから。」
ウェズはそう言うとデンリュウを出した。
「そこで何を話している。」
カイリューの“はかいこうせん”が二人のいる所へ放たれた。
「“ふぶき”。」
夏至にも関わらず、あたりが銀世界になった。
「フン。タイプ相性をついてきたわけか。」
カイリューが“あまごい”をした。
「食らえ、“かみなり”。」
上空の厚い雲から“かみなり”が何本も落ちて来た。
更に激しい雨が降って来た。
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