激しい雨が降って来た。
「そっちが“あまごい”してるなら!」
ウェズもデンリュウに“かみなり”を指示した。
「バカめ。空を翔るカイリューにこんな大技当たるか。」
カイリューは軽々と避けた。
「デンリュウ・・・。」
ウェズが次の指示をしようとしていたとき、イノムーが向かってきた。
「余所見をしている場合か?」
イノムーの“とっしん”がウェズのお腹を捉えた。
「しまっ・・・。」
大きな音、骨が折れたような音がしたあと、ウェズはその場で倒れた。
「これであいつは終わりだ。」
「ギルよ、容赦ないな。」
ゲルマがおかしそうに笑った。
「フン、余裕ぶるのは今のうちだぜ。デリバード!」
ギルはイノムーとデリバードを入れ替えた。
「“ふぶき”で奴のカイリューの翼を封じろ。」
「そうはいくか。“はかいこうせん”。」
その時、地上ではウェズが立ち上がろうとしていた。
デンリュウはウェズの肩を持って立つのを助けた。
「ありがとう、デンリュウ。」
それと次の指示だが・・・。」
「もう一度、“ふぶき”!」
「カイリュー、動け!バカヤロ・・・。」
その時、いきなり空が明るくなった。
「!!!」
その光の影響からか、デリバードが突然バランスを崩した。
ギルは宙に投げ出され、地上に激突した。
下は厚い雪で覆われていたためギルは何とか無傷だった。
だがギルのデリバードは翼に火傷を負っていた。
「“かみなり”か・・・。」
ギルは立ち上がったウェズを睨んだ。
その時、カイリューも一緒に落ちてきた。
こちらは翼を凍らされたようだ。
おそらくあのデリバードに・・・。
地上に叩きつけられたゲルマだったが、ギル同様無事だった。
「役に立たない奴だ。」
ゲルマはそういってカイリューを蹴った。
「な、何を?」
ウェズがそう尋ねるとゲルマは返した。
「当然だ。使えない奴は捨てるのみ。」
「お前!」
ウェズはデンリュウに“かみなりパンチ”を命じた。
「甘いな。“たたきつける”。」
デンリュウはウェズと共に尻尾で打たれた。
ウェズは先程のイノムーの攻撃で傷ついた箇所を攻撃された。
痛みで立てない。
それを見たギルがイノムーを出し、“とっしん”を指示した。
「デンリュウ!」
ウェズが指示しようとしたときだった。
イノムーはカイリューの“はかいこうせん”を受け、戦闘不能になった。
「ギル・・・。覚悟しろ。」
ゲルマはバンギラスを出した。
「“じしん”。」
地面が大きく揺れた。
このとき既に、太陽や光線の熱で雪は完全に溶けていた。
よってギルの足元は泥や、水溜りだらけだった。
それに足を取られた上に地面が大きく揺れたためギルは身動きが取れない。
その隙を突いてバンギラスがギルの前に現れた。
「さらばだ。ギル。」
ギルはバンギラスの“はかいこうせん”を至近距離で受けた。
無論、ギルは衝撃で吹っ飛ばされ倒れ、動かなくなった。
「次はお前の番だ。ウェズ。」
その声に呼応するかのようにカイリューが立ち上がった。
「あいつの後を追わせてやる。」
カイリュー・バンギラスがエネルギーを収束し始める。
「“10まんボルト”!!!」
デンリュウはカイリューの足元の地面に電撃を放った。
そこには小さな水溜りがあり、カイリューはそこから感電し、戦闘不能になった。
しかし、ゲルマは臆することなく強気で言った。
「やるな。だがバンギラスのエネルギー充填は完了した。」
バンギラスは巨大な光線をウェズに放った。
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