草むらから出てきたのはあの白いコートを着た女の子だった。
「君は・・・・?」
リュウトが聞くと女の子はくすっ・・・と笑いながら走っていった。
「あ、ちょっ・・・まって!!」
レオが言いかけた瞬間・・・・
―――― た け て ――――
(え・・・?)
―――― た す け て ――――
(おまえは・・・誰?)
―――― 僕は アク ロ ウ ア ――――
ズキッ
「あ・・・ぐっ!!」
レオは頭を抱えた。
「レオ!!」
「だ・・・大丈夫。」
最近声がする、助けを呼ぶ声が・・・・・。
(アク・・・ロウ・・・ア。)
月を見たまま黙っていた。
「・・・・・レオ?」
リュウトは呼んだ。
「・・・え?」
「大丈夫?」
「え?・・・あ、あぁ。」
本当にレオが変・・・。
「・・・僕もう寝るよ、お休み。」
「あぁ・・・お休み。」
リュウトはポケモンセンターの中に入っていった。
「・・・・アクロウア・・・か。」
(おまえはいったい何者だ?)
―――― 幻 の ポケ モ ン ――――
(何故俺を呼ぶ?)
―――― 捕ら え られ て る の ――――
(お前は何所から来た?)
―――― 暗い 深 海の 海 の 底 ――――
(お前は助けた後どうしたい?)
―――― 皆 と 一緒 に 居た い ――――
(もう一回聞く・・・・なんで俺を呼ぶ?)
―――― 助け て 欲し い の ――――
「・・・なんだか怖いなぁ。」
考えていると、後ろには小さな赤い体の姿があった。
レオは後ろを向かずにクスッと笑い答えた。
「フローム、来なよ。」
「・・・・・・!」
後ろも向かないまま呼んだのでセレビィのフロームはビックリしていた。
「ビィ〜・・・。」
フロームは警戒心をとった。
「大丈夫、何もしないよ。」
フロームは恐る恐るレオの隣に座った。
「見てみろ、今日の月は綺麗だよ。」
レオの言うとおりとても綺麗だった。
淡白い光がレオとフロームを包む。フロームはレオをジッと見ていった。
『貴方は何で一人でいるの?』
「何故だろう、気ずいたらいた。」
『あの子と話してどう思ったの?』
「あいつと話すと不思議な気持ちなる。」
あいつとはリュウトの事だ。
『どういう風に?』
「とても・・・暖かな気持ち。」
『皆と居てどう思う?』
「楽しい。」
フロームはレオが笑っているように見えたような気がした・・・・・・。
「お前は皆と居てどう思う?」
『貴方と同じ用に楽しい。』
一人と一匹は顔を見合わせ笑った。
そして・・・
―――― 皆 と 一緒 に 居た い ――――
あの言葉を思い出していた。
「さて、もう寝るか。」
『うん。』
レオとフロームもポケモンセンターに戻っていって眠った。
朝のポケモンセンター
ドンガラガッシャァアアアアアアアアアァアアアアアアアン
今日はセンターの中が騒がしいです。
「ちょっと―――――、どうすんのよ―――!!」
「知らねえよ!!」
ソファに座っていたレオとフロームは飽きれた顔でハルカとユウキを見ていた。
「何やってんだあいつら。」
『さぁ・・・。』
しかし、いつまで待っても喧嘩は終わらず
ギャーギャーと騒ぐハルカとユウキをみてレオとフロームは・・・・・
ブチッ
・・・・・血管が切れた。
「フローム、リーフストーム=B」
そう聞いたフロームは技を繰り出した。
ズガガガガガガガガガガガッ
「「ギャァアアアアアアアァアアアアア!!!」」
フロームの技が決まった・・・・。
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