フロームの技を見事に喰らったユウキとハルカ。二人はボロボロです。



レオはまだ怒ってます・・・。ユウキとハルカは機嫌を治す様に話しかけています。
「なぁ、俺らが悪かったって。」
「だから機嫌治して・・・・ね?」
「・・・・・・・。」
レオは無言のままです。スタスタと歩き止ってハルカとユウキの方を向いた。
「元はと言えばお前らのせいだろうが!何?あの意味不明な喧嘩、私ポケモンと遊ぶから駄目よとか
へヘ〜んいいモ〜ン俺だって自分のポケモンを毛づくろいするからいいも〜ん・・・・・・・・。
それだけで喧嘩?馬鹿臭くないねぇ?恥ずかしくないこれ・・・!!」
ハルカとユウキは怒られながら小さくなってこう呟いた・・・。
「「喧嘩した俺らが馬鹿でした・・・。」」と・・・・・・・。
この言葉が聞こえたフロームは、飽きれた目で見ながら『じゃぁ、喧嘩すんなや。』と、言っていた。
ユウキのパートナーのエーフィのアクアとハルカのパートナーのアチャモのチャチャも同じ事を思っていた。
『確かに・・・・。』
「大体お前らは・・・・・。」
レオは何かに服(コート)を引っ張られている感じがした。
足元を見てみると頭にはつぼみが付いていて、高さが0,4cm位の緑色のポケモンが立っていた。
「フラァ〜・・・。」
緑色のポケモンは甘えるように鳴いていた。
「ナァ〜・・・、フラァ〜・・・・。」
「あれ?この子野生ポケモンじゃないの?」
「でも変だな、人は野生に好かれないと思うんだけど・・・。」
確かにリュウトの言うとおり野生は人に好かない。皆は不思議に思った。
「ん?この子何か持ってるよ?」
緑色のポケモンは手紙の様な物を持っていた。リュウトは手紙を貰いレオに渡した。
「レオ、なんて書いてあるんだ?」
レオは手紙の内容を読んだ。
「えぇ〜っと、何?

 『    
           この子を拾ったトレーナーさんへ

              この子を貰って下さい。   
                     
          種族はフラワラです。宜しくお願いします。
                                            』」

「「「・・・・・・・・。」」」
「・・・・それだけか?」
「最後に(笑)と書いてある・・・。」
「「「笑えるかあああああああああああああああ!!」」」
レオ以外皆は激怒した。
「ふざけるな!!この子を貰って下さいだとぉ〜!!」
「これじゃぁ邪魔扱いじゃん!!」
『可哀想・・・。』
フロームはフラワラと言う名前のポケモンの頭を撫でた。
「な・・・・ナァ〜・・・・。」
「道具としか見てない奴らもいるしさぁ・・・。」
「え?誰??」
「ん?シャドーの奴らとか。」
確かにオーレ地方でシャドーはポケモンを戦闘マシンとかにしていた。
「んでどうするよ?この子レオに懐いてるよ。」
「また、道具しか見てない奴らもいるしさ、この子まだ赤ちゃんだよ。」
「ん〜・・・・、仕方ない、俺が見るよ。」
皆はへぇ〜の様な顔をしていた。ユウキは小声で「あのレオがねぇ〜。」と呟いていた。
ジロジロ見られている事に気づいた。
「なんだよ・・・。」
「いや、なんでもない。」
ファイアは疑問に思った事があった。
「でも初めて会ったのに、なんでだか懐いてる。」
「「「う〜ん・・・、なんででしょ?」」」
「まぁ、いいや新しい仲間も増えたしさ。」
何気にその時のレオはニコニコ笑ってて楽しそうだった。
「そういえば、この子の名前決まったの?」
「う〜ん・・・・・・フー・・・ラ。」
「え?」
「この子の名前フーラにしよう。」
「ナァ〜。」
フーラと名づけられたフラワラはとても嬉しそうだった。
「嬉しそう!」
「んで、どする?もう少しで夕方になるよ?」
「また、ポケモンセンターで寝るん?」
「しか無いでしょうねぇ。」
女の子はえぇ―――――――!!と言っていた。どうやら星を見ながら寝たかったようだ。
そして渋々寝ることになった。


    そして夜・・・・。


レオは何時もの様に遠い木の枝に座った。今日はフーラと一緒の様だ。
「ほぉ〜ら、見てみとぉ〜っても綺麗だよ。」
「フラァ〜・・・ナァ〜・・・。」
フーラは初めて見る月に興奮していた。頭にあるつぼみを揺すった。
とっても甘いようないい香りが広がってきた。
「なんか、いい香りがする・・・・。」
フラワラは日光や月光を浴びると、とても甘いようなスパイシーの香りがつぼみから出ると言われている。
「あ・・・・何だか眠たくなってきた・・・。」
レオは眠くなったのか木に寄りかかり眠ってしまった。フーラも眠くなったのかレオに寄りかかり寝た。
(この気持ち・・・何だか不思議な感じがするな・・・・・。)
レオは思った、またあの声が聞こえてきた。




――――         こ                い                             ――――

(この言葉どっかで・・・・・。)

――――        こわ               い               よ              ――――

(アク・・・・ロウ・・・ア?)

――――        ち              が                 う              ――――

(じゃぁ・・・・誰・・・?)

――――        わた       し         は       フ―         ラ         ――――

(・・・・・・・!!)




       ガバッ



「あ・・・れ?」
レオは起きて辺りを見回した。
(さっきの声は・・・・・フーラ?)
フーラの方を見てみると、大粒の涙を流して寝ていて怖がっている様に震えていた。
「コイツ・・・・。」
よく見てみると、大きな傷跡がいくつもあった。野生ポケモンやトレーナーのポケモンに狙われたんだろう。
フーラはこの事を思い出していたように鳴いていた・・・。
「な・・・・ナァ〜・・・・・フラァ〜・・・。」
レオは解かっているかのようにフーラを抱きしめてこう言った。
「大丈夫、俺が守ってやるから・・・・。」
レオの声が聞こえていたのかフーラは嬉そうな顔をしていた。



――――      あり            が       と        う         レオ       ――――



「あぁ・・・俺とお前は何時までも一緒だ。」
「な・・・・ナァ〜・・・・・。」
フーラは鳴いた。何時までも一緒だ・・・・コレが初めて言われた言葉だったから・・・。
レオはクスッと笑った。そしてフーラを見守って月を見た。
「今日も月が綺麗だな・・・・・。」
フーラを抱きつつ木に寄りかかった。



――――    あり     が    とう     レオ  だ     いす    き      だ     よ   ――――



「あぁ・・・・。」
月の光を浴びながら一人と一匹は気持ち良さそうに眠った。
この状況をポケモンセンターの窓で見ていたポケモンがいた・・・・・。
「フィ〜。」「ブラァ〜。」
レオのエーフィのサンとブラッキーのムーンだった。後ろからも誰かが来た。
「こんな所で何してるんだ?サン、ムーン。」
リュウトだった。
『あんなご主人、久しぶりに見た・・・。』
サンとムーンはテレパシーでレオ以外の人と話す時がある。
「何時もは違うの?」
『あぁ・・・・前スナッチ団に入ってた時も俺達にもこんな事をしてくれた。』
ムーンは自分達がスナッチ団に入ってた時の事をリュウトに話してくれた。
『僕達はまだイーブイの時、ダークポケモンの話を聞いてとても怖かったんだ。そしたらねご主人、なんて言ったと思う?』
「う〜ん・・・・・分かんない、なんて言ったの?」
『今度は俺が守ってやる・・・・・だってさ。』
サン、ムーンそれにリュウトはクスクスと笑った。レオらしいともレオらしいと言える。
『でも、その時は嬉しかったな。』
『えぇ、僕達がピンチになったら本当に守ってくれたもんね。』
「その時のレオをどう思ったの?」
『その時じゃぁ無くても俺らはご主人が大好きさ。』
リュウトたちは小声で笑っていた。ムーンは大きなあくびをした。
『あ、やべぇ眠くなってきた。』
『じゃぁ、そろそろ寝ますか?』
「そうだね、んじゃサン、ムーンお休み。」
『『リュウト、お休みなさい。』』
リュウトは自分が使っていたソファに向かい眠った。
『サン、俺らも寝るか。』
『そうだね、ムーンお休み。』
『お休みんしゃい。』
サンとムーンも自分が使っていたソファに向かった。そしてレオの所を向いた。



『『今まで私達を見守ってくれて有難う御座いました。
此れからも私達は貴方を見守って何時でもついていきます。』』






サンとムーンはこの言葉を残して眠りについた・・・・。
この時の夜はとても長かった気がした・・・・・。
木々たちは風になびかれています。この風は何だかとても悲しそうな音だった。
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