「う〜ん、ここは。」
オレは目を覚ますと辺りを見回すが目に飛び込んできた光景は
綺麗な病室とラティアスの
かわいい寝顔だった。
あれ、オレどうして病室にいるんだ?
混乱した記憶をたどり、
オレが力を使い果たし倒れたことを思い出す。
「う〜ん、あっ、イクジス気が付いたんだ。」
ラティアスが目を覚まし、オレが無事に目覚めたことを喜ぶ。
「ああ、まあな・・・・そういえばあいつは?」
オレは、姿が見えない亮の居場所を聞く
「亮の事?
亮なら、なんか私達を襲った犯人のことを調べていたよ。」
という事は、今頃パソコンの前に向かっているだろう。
「何時ごろから調べてるんだ?」
オレは亮が何時から調べ始めたのかをラティアスに聞く。
「一時間くらい前だよ。」
なるほど、それならばそろそろ調べ終わりオレたちの前に
パソコンを持って現れるころだろう
ガラガラガラガラ
予想通り扉が開く音がし、
亮がパソコンを持ってオレたちの前に現れる。
「判りましたよ、あなた達を襲った犯人が。」
ひどく興奮している様子からとんでもない奴が相手だったのは
理解できた。
「だれなの?私達を襲ったのって。」
ラティアスも敵の正体が早く知りたいようだ。
「いいですか、よく聞いてください
敵の正体は大昔にこの町を襲った邪悪な怪物です。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一瞬の沈黙が流れる。
「それじゃ、あいつの言ってた事は本当だったのか。」
オレは、てっきりシェイドの言っている事は嘘だと思っていたのだが、まさか本当だったとは。
「それだけじゃありません、
なんと過去の戦いで邪悪な怪物は一体も倒されていないんです」
!!
「なんだと、という事はあの本は間違っていると言うことか。」
じゃあ、一体どうやって水の都を救ったのだろうか
オレの頭に疑問がよぎる
すると亮がパソコンをの画面をオレに見せ
「本当はこうなっていたんです。」
そうして続けざまに亮の口から語られたことは
驚くべき内容だった。
遥か昔水の都に邪悪なる怪物が攻めてきた時の事
邪悪なる怪物は瞬く間に都市を覆いつくし惨劇をもたらした。
その時水の都にいたラティアスたちは天から仲間を呼び寄せ
これに対抗した。
仲間達は邪悪な闇を追い払う力を持った心の雫と言う宝石を
持って闇を打ち払おうとした。
最初のうちは打ち払う事が出来たのだが邪悪な怪物も
これに対抗する術を身に着けた。
その方法は、人間とポケモンの姿を真似ることであった。
これにより邪悪な怪物の核がコピーした肉体によって
隠されてしまったのだ。
この状態では、心の雫の効果は無く、
仲間に成りすました邪悪な怪物たちによって
私達の仲間は無残にも殺されていった、
特にコピーされた者達は真っ先に殺された
恐らく、私達に偽者だと気づかれないためであろう。
こうした状況の中で私達の仲間の数は減り
全滅近くまで追い込まれてしまった。
敵は止めを刺すためにこの島ごと私達を吹き飛ばすために
集まり巨大な龍となった
その姿は、
伝説で語られている天空の覇者レックウザのものだった。
私達は死を覚悟した、だがこれに完全と立ち向かう
二人の無限ポケモンがいた。
一人の名はラティルト、ラティオスの中で一番の力を持っており
サファイアストーンと呼ばれる巨大な力を持った
石の力を使う事が出来た。
体の色は黄緑をしており他のラティオスとは違う色だった。
もう一人は、ラティル、ラティアスの中で一番強い力を持ち
無限の力を自在に操り
心の雫の効果を最大限に引き出すと共に
自らの力に変換する事も可能だった。
ラティルトと同じ色違いで体の色はオレンジ色をしていた。
二人はレックウザに戦いを挑んだ。
だが、勝つ事は叶わずラティルトの命を犠牲にして
異次元空間に送る事がやっとであった。
しかし、異次元空間に送る事に成功したものの
レックウザをコピーした奴らの力は強く
今にも異次元空間を突き破りこの空間に出現しそうだった。
これを、
阻止するためにラティルは自分とラティルトとの間に出来た
二つの卵をこの時代ではない平和な時代に送ると、
自らの身体と精神を奴らと同じ異次元空間に
置き内側からも力を押さえ込む事にした。
これにより邪悪な怪物たちは完全に封じ込められた
私達は封印がとかれないように大聖堂に作られていた
心の雫の力を使えるマシンの機能に
封印を強化する機能を付け加えた。
これにより、この封印は悪しき心を持つ者がこの装置を使って
封印を解こうとしない限り永遠に解けないことだろう。
私達は願う悪しき心を持つ者がこの封印を解かない事を
そして、ラティルトとラティルの子供達がどこか別の時代で
平和に暮らしている事を。
「これが、真実です。」
オレとラティアスは驚いて声も出なかった。
まさか、
過去の戦いで邪悪な怪物たちが封印されていただけなんて
思いもよらなかった。
だが、この話を聞いたおかげで奴らの狙いが完全に把握できた
「なるほど、あいつは、封印されている自分達の仲間を
解放しようとしているのか」
この言葉に亮は首を縦に振る。
「でも、何で出てこれたのかな〜?」
ラティアスが邪悪な怪物の一部が出てきた事に疑問を持つ。
オレは、それに心当たりがあったのでそれをラティアスに話す。
「あの、怪盗姉妹のせいだよ。」
オレは思い出したくも無い奴らの名前を言う。
恐らくラティアスもあの二人の事は考えたくも無かっただろう。
しばらくの間思い沈黙が流れる。
この沈黙を亮が破る
「恐らく、あいつはまた貴方を狙ってくるでしょう。」
亮は、ラティアスの方を向いて話す。
そのことは、ラティアスも判っていた、
狙われているのは自分だということを。
オレは、落ちこんでいるラティアスに話しかける。
「大丈夫だよ、今度は返り討ちにしてやるさ、
オレの力と仲間達の力を使ってな。」
このオレの言葉にラティアスが明るい顔になる。
「そうだね、あの力があれば簡単にやっつけられるもんね。」
ここで、ラティアスは何かを思い出そうと考え込む。
「ねえ、今思い出したんだけど、
なんでポケモンの技が使えるようになったのか
聞いてないけど?」
一瞬沈黙が流れる
そう言えば、まだ理由を言っていなかったけ。
「悪い、忘れてた。」
オレは、ラティアスに謝ると
なぜポケモンの技が使えるようになったのかを話す。
シェイドの攻撃により意識を失ったオレは
何故かくらい闇の中に一人で立っていた
「なんだここは?」
辺りを見回すが何所を見ても闇しかなく
この空間が何所まで続いているのかもわからなかった。
「こんな所に、何時までも居る訳にはいかないな、
早くラティアス達の所に戻らなくては。」
このときのオレは自分が虫の息であるとは知らず
シェイドがオレをラティアス達から引き離していたのかと
おもっていた。
しばらくするとその考えが間違っている事にオレは気づいた。
何故なら、目の前にかつて死んだはずのオレの仲間が
現れたからであった。
「!!、バクフーン、何でお前がここに?」
このオレの問いにバクフーンは
「何でって、それはオレの台詞だよ、
ここは死と現実の狭間の世界だぞ。」
この言葉でオレは思い出す自分が、
シェイドの攻撃で致命傷を負ったことに。
「冗談じゃねー!!、何とか戻る方法は無いのか?」
オレはラティアス達の所に戻る方法をバクフーンに聞く。
「無いわけじゃない、だけどこの方法を使えばお前は、
人であって人でなくなるぞ。」
バクフーンが戻れることは出来る
だがその為にはそれなりの代償が必要だと言う。
こんな事を聞いてもオレの答えは変わらない、
仲間を守るためなら・・・・・・
「構わん、どうやるんだ?」
この答えにバクフーンはやっぱりなと言う顔をする。
「聞くまでもなかったか、お前はそういう奴だもんな。」
「解っているんだったら聞くなよ。」
オレはため息交じりの声で言う。
「悪かったな、変な質問をしてさて本題に戻るぞ。」
バクフーンがまじめな顔でオレに戻る方法を言う。
「オレと融合すればいい、
そうすれば今受けているダメージが全て消え
あいつとも戦えるようになる。」
バクフーンが口にした事は、普通なら驚くべきことなのだろう
だがオレは、驚くより嬉しさの方が強かった。
何故なら、また一緒に旅をすることが出来るから。
「OK!!、ならさっさと行こうぜ。」
身体が光に包まれオレの意識が現実世界に戻り始める。
そして、現実世界に再び姿を現したのだった。
「お前もイクジスに顔を見せればよかったのに。」
イクジスが現実世界に戻った後にオレは、
奥のほうに隠れていたラティオスと呼ばれる
無限ポケモンに話しかける。
「いや、今はいいさ。」
ラティオスは、簡潔に言う
「そうか、・・・・なあ、
何でお前もイクジスに力を貸すんだ?」
オレは疑問に思っていたことを率直に聞いてみる。
何故なら、ラティオスはオレのように
イクジスと一緒に旅をしていたわけではないし
繋がりと言ったらラティオスがオレに話してくれた
水の都での事件のことだけだった。
「あいつがイクジスが気に入ったからさ。」
ラティオスは、理由を簡潔に述べる。
「なるほどね。」
オレの顔は笑っていた
まあ、当たり前だろう自分の仲間が気に入られたのだからな。
「まあ、こんな感じでポケモンの力が使えるようになったんだ。」
オレはラティアスに
ポケモンの力を使えるようになった経緯を話す。
「そうだったんだ〜、あれ?でもバクフーンEXって
どんなポケモン?」
どうやらラティアスはバクフーンEXが
新種のポケモンだと思ったみたいだ。
「最初に渡されるポケモンの一人だよ。」
オレは、ラティアスに新種のポケモンではないことを言う
「じゃあ、何でEXって?」
どうやらEXの意味が気になっているようだった。
この疑問に亮が割り込んで答える。
「よくぞ聞いてくれました、
EXと言うのはそのポケモンの種族の中でも強力な力を持ち
普通では使えないような技も使えるポケモンたちのことです。」
よっぽどこの質問が出たことがうれしかったのだろう
亮が軽快な口調でラティアスに
説明する。
まあ、
自分が考え出した言葉だから亮が嬉しがるのも無理はない。
「へぇ〜そうなんだ。」
この答えにラティアスも納得したようだった。
「理解していただけましたか、
ちなみにイクジスの仲間は全員EXポケモンたちですよ。」
調子に乗った亮が喋らなくてもいいことまで口にする。
「おいおい、何もそんなことまで言わなくてもいいだろう。」
オレは半ば呆れて亮に言う。
すると亮がオレに近づき耳元で囁く。
「何言ってるんですか、
あなたのポケモンがEXであると分かっている方がラティアスも
安心できるでしょう。」
なるほど、確かにそのとうりだった。
EXポケモンならちょっとやそっとの事ぐらいでは
命を落とすこともない。
だから、グラードンとジラーチも比較的軽傷ですんだのだった。
そういえば、ゆうきのカイオーガも比較的軽傷で済んでいたと
言うことはあいつの仲間も恐らくEXポケモンだろう。
そんなことをオレが考えていると
急に強力な睡魔が襲ってきた。
周りを見るとラティアスと亮も眠っていた。
「まさか、こ・・・・れ・・・・・は・・・・・・」
オレの意識も睡魔に飲み込まれていった。
「これで、あの忌まわしい封印を解くことが出来る。」
ふわ〜〜
爽やかな風が私の頬をなでる。
「あれ?私眠っちゃってたんだ〜。」
まだ、寝ている頭を起すために部屋の周りを見回す。
そこで私はイクジスがいない事に気づく。
「ねえ、亮、イクジスがいないよ〜。」
私は椅子の上で寝ている亮を起こす。
「飲み物でも買いに行ったんじゃありませんか?」
確かにイクジスの靴は無く普通の考えならちょっと外に出かけていったというのが普通だろう
でも私は何かいやな予感がして仕方が無かった。
イクジスを探してこようと椅子を立ち外にでようとしたが
私は何かに足を取られて
転びそうになるが何とかその場に踏みとどまった。
「ね〜、亮、これ何?」
自分が踏んで転びそうになった原因を作った
円柱形の物を亮に見せる。
「!!それは、催眠ガスを入れる時に使う
カプセルじゃないですか。」
亮が驚きカプセルを手に取るとカプセルの下を調べる。
「やっぱり、ガスが全て放出されています。
恐らくシェイドがこれを使って私達を眠らせたのでしょう。」
という事はイクジスがいないのは・・・・・
私の頭の中でいやな予感がどんどん膨らんでいった。
「急いで、イクジスのところにいかなくちゃ。」
私は開いているドアの前に立つ。
「何所にいるのか見当は付いているみたいですね。」
「うん。」
これを聞いた亮は
「では、私もいきます。イクジスのことが心配ですからね。」
この言葉に私は首を横に振る
「亮は、ここに残ってなきゃだめだよ、
だってここにはカノンとゆうきがいるんだから。」
「そうでしたね、
医者が患者をほおって行くわけにはいきませんね。」
私は意識を集中させるとポケモンの姿に戻る。
そして、腕を収納し高速形態にチェンジした私に亮が
「イクジスのことは、頼みました。」
これには首を縦に振り私は全速力で大聖堂に向かった。
一方大聖堂ではシェイドが古代マシンを動かし
封印を解こうとしていた。
「くっ、ここは!」
オレは目が覚めると見覚えのある場所にいた。
「なんで、大聖堂にそれにオレがリングの中に入っているって
どうなってるんだ?」
驚くオレをよそにシェイドは
機械を操作し何かを始めようとしていた。
「バクフーン!!力を借りるぜ。」
「(応!)」
オレの目の色がエメラルドグリーンから赤に変わる。
さらに、身体の周りに陽炎が揺らめく。
「砕けろー!!ハイパーブラスト!!!!」
オレは両手を前に突き出し
そこに膨大な量のエネルギーを集中させる。
空間が歪みエネルギーの充填が完了する。
オレはそれをリング目掛けて発射する。
ドゴォォォォォォォォォォォン
爆発音が大聖堂中に響き渡り激しく振動する。
だがそれほどの爆発をもってしても
リングには傷一つ付かなかった。
「なんだと、そんな馬鹿な。」
この技でも壊れないのであれば
もっと強力な技を使うしかなかった。
だがこの中でそんな技を使ったら
オレの身体は無事ではすまないだろう。
この八方塞がりの状況を打破しようとオレは、
頭脳をフル回転させる。
しかし、一考にいい考えは浮かばず
時間だけが悪戯に過ぎていった。
そして突如オレの身体に脱力感が走る。
古代マシンがオレのエネルギーを吸収し始めてから
結構な時間がたっていた
恐らくはその影響が出始めたのであろう。
オレは何とかしようと考えるが
焦れば焦るほどいい考えは浮かばなかった。
「せめて、炎が軽減できるタイプがもう一つでも
オレに備わっていれば。」
この言葉の通りあと一つでも
炎の威力を軽減できるタイプが入っていれば
オレがそんなことを考えていると頭の中に突如
ラティオスの声が響く。
「オレの力を解放すればいい。」
「ラティオス!!なぜお前が?」
「理由は後で話す
今はそんな事よりもここから出るほうが先だろう。」
確かにラティオスの言うとおりだった。
オレは精神を集中させるとラティオスの力を解放する。
続けて両手にありったけのエネルギーを集める。
再度空間が歪む、
だが先ほどとは比べ物にならない程のエネルギーが
両手に収束されていく
オレはエネルギーの収束が限界点にさしかかったのを確認すると
「アトミックブラスト!!」
核融合の熱量と破壊力を持った爆裂弾がリングに炸裂する。
形容しがたい爆裂音が響き渡りリングが停止する。
オレは、地面に着地すると
すぐさま古代マシンの操縦席の方に近づく
だがそこにシェイドの影は無く座席はもぬけの空であった。
「いったい何所に消えたんだ。」
オレは、あたりを注意深く見ると
妙な空間の歪みを見つける。
「なるほど、やつはこの奥に。」
オレは空間の歪みに近づく
「まってよ〜」
その時オレの耳にラティアスの声が響く。
「ラティアス、よくここがわかったな。」
「当たり前だよ、
だってシェイドの目的は封印を解くことって
言ってたじゃない♪」
こうしてオレとラティアスは
異次元空間に足を踏み入れようとする。
「ちょっとまった〜、君たち僕の事を忘れてないかい。」
高らかな声と共にカイリューに乗ったゆうきが現れた。
「ゆうき、いいのか無事では済まないのかも知れないのだぞ。」
この問いにゆうきは
「大丈夫、絶対にね♪それに君の仲間も一緒に行きたいって。」
そう言うとゆうきは、リュックの中からオレのボールと
ボールを止めておくベルトを取り出す
そのボールの中には前の戦いで傷ついていた
ジラーチとグラードンの姿もあった。
どうやら二人とも完全に回復したらしい。
「解ったよ、けど何かあっても文句を言うなよ。」
そして、オレたちは
邪悪なる怪物の本体が封印されていると見られる
次元の狭間に足を踏み入れるのであった。
技の説明 ハイパーブラスト
巨大な爆裂火球弾を放つ
一万度近い高温とメガトン級の爆発力で目の前に立ちふさがる
全ての敵を薙ぎ払う。
アトミックブラスト
ハイパーブラストの強化版にしてバクフーンEXが己の身体に
反動を受けずに放てる最強必殺
摂氏十万度の炎と途轍もない爆発が一点に集中し全てを無に返す
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