小説 僕たちイーブイキッズ 第1幕 第3章「決着へ」
ブォーン、ブォーン、
警報が鳴り響くロケット団基地内。
ロケット団の基地に残されたユージたちは、ダイナマイトの起爆装置を止める為に司令室にいた。
だが、目の前には、普通の6倍はあるダイナマイトが2ダースあった。
アキラ「こ、これがダイナマイトか、」
ジュン「いくら何でもこれは大きすぎる、それに普通の6倍ぐらいはあると思うけど・・・、」
エリ「これはタダのダイナマイトじゃないようね。」
スザク「とにかくもう時間は無いわ。早く逃げた方がいいと思うわ。」
ユージ「でも考えがある。」
エリ「何、」
ユージ「2つのグループに分ける。一方は爆弾を持ち出して、もう一方は閉じ込められている子供たちを解放する。」
エリ「それなら、子供たちを解放するのは、私とユージに任せて、」
アキラ「オレも行く、スリープがいないとマズいからな。」
ジュン「いいや、僕に任せて、」
アキラ「何でだよ、」
ジュン「ハクリュウになっているんじゃ、モンスターボールなんか、投げられないだろ。」
アキラ「・・・。」
とにかく、ユージたちは2つのグループに分かれた。爆発まであと25分しかなかった。
ユージ「コレか・・・、」
エリ「この中よ、」
ジュン「出て来い、スリープ。」
ジュンはボールを投げ、スリープが出てきた。
スリープ「スウィープ。」(ちょっと、発音を変えました、ダブってしまうので。)
エリ「行くわよ。」
キュゥゥゥ、
ジュン「大当りだったね。どうやらこの[実験番号]って書かれているのが入れ替えられた子供たちのようだ。」
ユージ「さて、スリープで元に戻そう。」
一方、スザクたちの方は、
スザク「ずいぶん軽いわね。」
ユイ「以外とね。」
アキラ「サッサと運ぼうぜ。」
ザン「そうしよう。」
ハイペースでがんばっていた4人は、地上に出てきた。ところが、ダイナマイトをどうするかで、悩んでしまった。しょうがなくもう一度、司令室へ戻ってダイナマイトを持って来ることにした。その頃、
スリープ「スウィープッ、」
パンッ
ジュン「いいぞ、スリープ。」
ユージ「よしっ、次だ。」
ヨウコ「私、一体どうなったの、あなたたち、誰なの。」
ジュン「悪いけど、説明はあとだ。」
まっ、こんな感じで、もう45人開放していた。すごく速いペースだったが、あと25分しかなかった。
エリ「コレが、第2セクションに続いているみたいね。」
ジュン「すっごい電圧だ。触っただけで黒焦げだ。」
ユージ「あれがスイッチらしい。」
ジュン「でも、硬そうだ。」
ユージ「地面系なら、この電磁バリアを突き抜けることができる。」
エリ「ユージ、月の石を、」
ユージ「よーし、」
シュオーン
ユージ「そんでもって、行けッ、サナギラス。」
ボーン
サナギラス「サーナー。」
ユージ「エリ、準備はいいかい、」
エリ「いいわよ。」
ユージ「行けェ、」
ビリリリリリリ、シュン
エリ「や、やったわ。」
ユージ「よしっ、サナギラス、連続アタック、」
エリ「私もやるわ。」
ドドドドドドドドドドド、ボンッ
エリとサナギラスのダブル連続アタックがキマッタ。スイッチが壊れて、バリアが消えた。
ユージ「やったー。」
エリ「早く行きましょ。」
ジュン「さて、行くぞ、スリープ。」
スリープ「スウィープ。」
さて、いよいよクライマックスへ突入する。
爆発まで、あと15分、もう時間が無い。ちょうど今、ユージたち3人は、牢屋のオートロックを壊そうとしていた。
ユージ「戻れ!ワニノコ。」
ジュン「鉄のお次は超合金か・・・なんてこった。」
エリ「炎系ポケモンと水系ポケモンのコンボ攻撃が役に立たないなんて。」
ジュン「ちょっと待った、これは電子ロックだ。」
エリ「それなら、雷の石を使って。」
ユージ「でも、エリ・・・。」
エリ「わかっているわ、さあ、早く。今は迷っていられないでしょ。」
ユージ「・・・わかったよ。」
シュウォーン
エリ「スパーク!」
ドォン、ビリビリビリビリ、ガシャン!
ジュン「やったぞ、開いた。」
スリープ「スウィープッ」
パンッ
ヒロユキ「・・・ユージ、・・・ジュン、何故ここに、」
ジュン「助けに来たんだよ。」
エリ「す、少しクラクラするわ。」
ユージ「だから言おうとしたのに、」
ヒロユキ「ウ、ウッソー、イ、イーブイがしゃべっている!」
ユージ「(おいおい、普通、ポケモンになった自分に驚くだろーが。それに、メールに書いてあったのに。)」
ヒロユキ「一体、何があったんだ。」
ジュン「今は、話している、暇はないんだ。」
ヒロユキ「でも、教えてくれ、」
ジュン「・・・ダイナマイトで、この島ごと、僕たちも吹っ飛ぶ。」
ところが、ダイナマイトなら、すでに、スザクたちが司令センターから岸の方へ全て撤去していた。
アキラ「これで最後だ。」
ユイ「ところで、このダイナマイトどうするの。」
スザク「・・・私に任せて、」
ザン「ま、まさか、」
ザン「やっぱし・・・。」
スザク「行くわよ。」
ザンとスザクは、なんとダイナマイトを担いで、海に落とすことにした。
でもさすがにしんどい。もし岸で爆発したら、3人は海に落っこちてしまう。またもし、運んでいる途中でダイナマイトが爆発したら、スザクとザンの命はない。これはイチかバチかの賭けだ。
おっと、話をユージたちの方に戻そう。
ユージ「いくぞー、」
エリ「ええ、」
シュウォーン
ユージ「げんしの力!」
ゴゴゴゴゴゴゴ、ゴンッ・・・ポロッ
ユージ「やったぞ。」
エリ「これで最後ね。」
ジュン「スリープ。催眠術を解け。」
スリープ「スウィープッ。」
パンッ
ユージ「よしっ、岸の方へ急ごう。」
エリ「みんなついて来て。」
ところが、ダイナマイトがあと15本も残っていた。爆発まであと2分。間に合うのか?
スザク「あと何本?」
ユイ「あと15本・・・。」
ザン「も、もうダメ・・・。」
スザク「そ、そんな、あともう少しなのに・・・。」
ユージ「まだあきらめるのは早いぜ。」
アキラ「ユ、ユージ。もう終わったのか。」
ユージ「あぁ。それに、おまえのエアームドのモンスターボール、ポケットに入っていたのに忘れていた。こいつで何とかなるだろ。」
アキラ「なるほど。」
ボンッ
エアームド「エアームドッ。」
アキラ「エアームド。オレの声が分かるか。」
エアームド「エアームド。」
アキラ「じゃあエアームド、こうして、こうして、こうだぞいいな。頼むぞ。」
スザク「それじゃ私も行くわ。」
アキラ「コレで最後だ。」
ピューン、ボチャッボチャッ。
そして、10秒後
「ボォ―ン、ドゴォーン」と、次々ダイナマイトは爆発していった。
そして、
ユージ「ふぅ。」
エリ「あとは、助けを呼ぶだけね。」
アキラ「ふぅ・・・終わったな。」
ユージ「・・・いいや、せっかく、「旅に出る」って言ったのに、ここで終わったらもったいない。まだ、僕らの旅は始まったばっかりなんだ。」
この少年少女たちの旅はまだまだ続く。
第2幕 第1章へ続く
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