小説 僕たちイーブイキッズ 第2幕 第6章「思わぬ再会。」
南国のフルーツと言ったら、バ・ナ・ナッ。
なんて、言ってられない!
ユージたちの乗ったクルーザーはなんと嵐に遭遇。
強風でクルーザーはあおられ、甲板にも海水が入って来ていた。
ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
アキラ「な、なんだこの嵐!?」
ピシッ
どこかで、ひび割れたような音がした。
スザクは船底を見ていた。すると・・・、なんと船底が浸水し始めた!
スザク「た、大変よ。船底がやられたわ。」
全員「えーっ。」
ガタッ、ガタッ
さらに強風でクルーザーは揺れ、
ユージ「う、うわーっ。」
ユージは足を滑らし、すっ転んで頭を打った。
ガンッ
エリ「ユージ!」
その後、事態はさらに悪化。
舵は効かなくなり、船底が水で溢れクルーザーはさっきよりも大きく揺れた。
そして、全員、頭を打ち、気を失ってしまった・・・。
もはや、クルーザーは沈むだけと思われた・・・。
―それから数時間後―
―オレンジ諸島の上空 高度2万m―
ユージ「う、うーん・・・。」
エリ「大丈夫?ユージ。」
ユージ「ここは・・・?」
???「気が付いたか。」
ユージ「ん、・・・わ、わ、わ、わぁー、」
ズテンッ、
ユージはベットから転げ落ちた。
アキラ「ユージ、大丈夫か?」
アキラの髪型がサンダースのように尖がり、髪の色も黄色。
さらに、尻の辺りにもサンダースのようなトゲトゲが。
ユージ「ア、アキラ、ど、どうしたんだそのカッコは!?それに、このデルビル耳の人は
だ、誰!?」
ホルス「やはり、地上人にこの姿はまずかったな・・・。私の名前はホルス。ここは私の
故郷、「スカイガイアシティ」の中だ。」
ユージ「スカイガイアシティ!?」
ホルス「この事は絶対に口外しないでくれ。それと・・・、」
ユージ「それは?」
ホルス「ポケモンの一時的変形遺伝子薬だ。これで怪しまれない。」
注射針のない、妙な物に液体薬品の入ったビンがくっ付いている。
ホルスはそのハイポのスイッチを押し、ユージにポケモンの一時的変形遺伝子薬を注射し
た。
ニョニョニョニョ
ユージに、ブースターの耳と尻尾が生えてきた。
ユージ「ブースターの遺伝子だったらしい。」
ホルス「1つずつ違う遺伝子だ。他の4人にも同じ処置を施した。」
ドアが開いて、スザク、ヒロユキ、ジュンが入ってきた。
スザクにはシャワーズのシッポが、ジュンにはブラッキーのシッポが、ヒロユキにはエー
フィのシッポが尻の辺りについていた。
ユージ「へぇー、みんなピッタリじゃん。」
スザク「ユージもいい感じね。」
ホルス「それじゃ、町の方の区画に行くぞ。」
ホルス「ここが、町の区画だよ。」
スザク「すごく広い!!」
辺りを見回してみれば、イレズミだけというのもいれば、耳と尻尾を生やしているのもい
た。大半が後者だ。
このスカイガイアシティは、空に浮かぶ町ではなく、空に浮かぶ大陸だった。
直径は1200km(<映画「ディープ・インパクト」に出てきた隕石よりデカイ。(聞
いていないって。)
人口はおよそ40万人。ここには何でもそろっていた。
日光浴ができるビーチに、150mの大きさをもつプール、商店街。1000件の住宅地。
全部の家にソーラーパネルが設置されている。
菜園、公園、そしてジャングルもあり、自然を大事にしていた。
ホルス「私の家は、このジャングル区画だよ。」
エレベーターの外に出てみると、ここが空に浮かんでいる町とは思えないほどの緑が一面
に広がっていた。
アキラ「おぉ、大木の枝の上にいっぱい家が建っている。」
エリ「台風や大雨がないから大木の枝に家を建てることができるのよ。」
しかし、その直後、爆発音が聞えた。
チュッドォーン
全員「!?」
ホルス達は爆発音の発生場所へ向かった。
予想通り招かねざる客がいた。
ユージ「うわっ。」
ロケット団員1「余計なことをしてくれたじゃないか。ぶっ殺してやるぜこのクソガキ
め。」
ユージ「何でおまえらが・・・ぐっ。」
ロケット団員2「口の聞き方に気をつけな小僧。おまえらは我ロケット団のブラックリス
トに載っているんだよ。」
エリ「ユージを放しなさい!」
R団員1「おっと、1歩でも動いたら、こいつの頭がい骨を叩き割るぞ。」
アキラ「ちっ。」
その時、一瞬の隙をついて、ジュンがデブなロケット団員の顔を殴った。
R団員1「な・・・。」
ジュン「そんな脅しオレに通用しねぇよ。」
なんと、ジュンがブッちぎれた(激怒した)。以前にロケット団の地下基地でもあったこ
とだ。
軽く、R団員1を殴り倒した。しかも、威力は、気合いのパンチや、爆裂パンチよりも強
かった。おまけに、アッパーだったので、R団員1はアゴをはずして、目を回して倒れて
いた。
R団員2「そう来たか。なら、こいつはどうだ。」
R団員2がそう言いながらブラックボールを投げた。
中から出てきたのは・・・。
ジェイド「・・・ブイ!?(・・・リナ!?)」
リナ「ブブブイブイブイ(あんたなんか知らないね。)」
リナだった。しかも、イーブイのままだった。
ジェイド「・・・ブイ、ブイブブイブイ!?(・・・リナ、何を言うんだ!?)」
リナ「ブイブイブブブイ(あなたを殺すわ。)」
ズシャッ
ジェイド「ブイブブイ!?ブイ。(何するんだ!?リナ。)」
アキラ「ジェイド、今のリナは普通じゃない。操られているんだ!!」
ジェイド「ブ、ブイ・・・。(で、でも・・・。)」
ユージ「行くぞ、みんな!」
エリはマーシュルに進化。
エリ「(ナックルスマッシュ!)」
他のみんなもだ。
ルナ「(フリーズストーム!)」
ジェミー「(サンダーバルカン!)」
チロリ「(バーニングエミッション!)」
必死に戦っているにもかかわらず、ジェイドは、全く動こうとしない。
アキラ「どうしたんだよ、ジェイド!」
ジェイド「(アキラ。残念ながら、オレは・・・・戦えない。)」
全員「うわーっ。」
アキラ「だ、大丈夫か!?」
スザク「なんとか無事・・・。」
R団員2「いけ、デスデュアルファングだ。」
ガブリッ
ジェイド「(い、いてぇ・・・。)」
R団員2「覚悟はいいな・・・・。いけっ、トドメだ。」
リナ「(これで終わりよ・・・・。)」
ズドドドドドドドドドド、ドォーン
ジェイド「(・・・させてたまるかよ!リフレクター!)」
ジャキィーン
リナは頑丈なリフレクターにモロぶつかった。
リナ「ブイィ!(キャァ!)」
ヘビーダメージだったらしい。
R団員2「ク、クソーッ。覚えていろ!」
こうして、ユージたちは、ジェイドの活躍によって、ロケット団を追い払うことができた。
だが、ロケット団の2人は酸素マスクをして、スカイガイアシティから飛び降りた。
バシュンッ
R団員1「今回はオレたちの負けだ、ガキども。」
ロケット団員2人組はパラシュートを開いた。
しかも、下にはロケット団の輸送船がいた。物音に気付いた中のロケット団員が外に出る
と、さっきの2人組がいた。
ロケット団輸送機の乗員は2人組を輸送船に回収し、ロケット団の遺伝子研究センターま
で運んだ。
あぁ、ちょっと待った!!
ユージたちの方に視点を戻そう。
ホルス「なるほどね。ボートが壊れて、海上での移動手段がないか。」
ユージ「あるのは、スケボー(スケートボード)に、キックボードに、インラインスケー
ト・・・、これくらいしか・・・。」
ホルス「それだけあれば十分さ。」
全員「えっ!?」
シュゴォォォォォ
ユージ「これは最高だぜ。」
スザク「陸上でしか使えない乗り物が、海の上でも使えるなんて。」
ヒロユキ「すごい科学力だ。」
ジェイド「(・・・)。」
アキラ「ん?どうしたジェイド。」
ジェイド「(リナのことを考えていたんだ。・・・いつの日にかロケット団から開放
しなきゃ。)」
現実は確かに残酷だ。だが、それを乗り越えて行くからこそ、僕たちは強くなっていく。
信じれば、いつの日にか叶う。
第2幕 第7章へ続く
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