朝の午前6時半・・・コンビニで買ったコーヒーとサンドイッチの入った袋を片手に長い学校の廊下を優磨は歩いていた。
制服は着てるものの、着方はラフに着て髪の毛は無造作ながらも整っていて他の人から見ればかっこよく見える。顔もスラリとして、目も鼻も口も全て整っていて何人者女の子をうっとりさせる魅力もある。
さっき、学校廊下を歩いていると言ったが普通の学校はこんな時間に開いている学校は多分ない。
なぜこんな時間に開いているかと言うと、特別な学校であるからだ。
この学校の名前は私立天竜高等学校という。偏差値は平均78〜85の超難関高である。あと、偏差値だけではなくIQが用いられる。IQ数値は130以上でないと受け入れられない。偏差値だけ超えてもIQがなければだめと言う事。だが、それだけ高い事にすごいメリットがある。
授業料は公立並み、独自の奨学金制度をやっている。
授業は全部6時間なのだが、その授業を自分で決め設定できる。例えば、一時間目と二時間目を機械化の授業、三時間目は体育、四時間目は物理の勉強などに毎日自分で設定できる。もし、自分が願うなら全部休みでもいいのだ。その代わり、単位は下がるのだが・・・。
さらに、授業中にやらなければゲームや、携帯、トランプなども持って来ていいのだ。また、読書や静かなところで勉強がしたい人は図書室にいくのだ。図書室ではなく正確には、「図書館」になる、図書室だけの校舎があり全部で6階だてでありとあらゆる本や聖書や辞書等がたくさんある。
学校が持っている面積はとてつもなくでかい、野球部等が使うグランドが5つもある、それ以外は芝生を綺麗に敷き詰め木も花も植えていて大きな公園みたいだ。さらに、校舎内は自動販売機や売店はともかくここにはカフェがある。そのカフェの数は10店、店の中はとても綺麗でいつも人が来ていてにぎわっている。店によって違うが、メニューは40種類以上でうまくて安い、ドリンクにいたっては全て無料。一般に開ければデートスポットにはもってこいだ。部活についてはとんでもなく学校は力を入れている。先生が納得すればたとえ一人でも部活が作れる。部室も冷暖房もつき、もし要望があればテレビやパソコンも設置してくれる。しかも全て無料。だが、それによって「エルフ・妖精研究部」や「昆部」など意味が分からない部がいくつもある。
さらに、音楽室や体育館などはすべて24時間開放されている。それ程生徒達を信じているのだ。
そんな学校に優磨は通っている。
そんな学校の廊下を歩いていると前から誰か来て優磨に声をかけてきた。
「やあ、優磨くんおはよう」
「おはようございます、間宮先生」
いま優磨が挨拶した人は間宮孝則先生で国語の教師をやっている。身なりは、ビシッとスーツを決め背筋をピンと伸ばしいつも笑顔だ。顔もかっこよくて女子達の恋人にしたい人第一位だ。(学校内だけ)
「こんな朝早くどうしたのかな?」
「ちょっとピアノの練習をしようと思って・・・」
「そうか、じゃあ授業に遅れないようにね」
と言って優磨の横を通り過ぎて行った。後姿もカッコイイ・・・と優磨は一瞬思っていたがすぐにあることを思い出した。
「確か間宮先生は今日出張だったはずなのにどうして・・・」
そう口ずさんで音楽室へと歩いて行った。
音楽室に着いた優磨は、蓋を開けポールを立てる。鍵盤を外気に出し二つ三つ鍵盤を叩いた。さすが音楽室調律が乱れていない、と優磨は思った。そして、椅子に座り「月光」を弾き、そこで朝飯を食い教室に戻った。






昼の午後12時40分・・・優磨は午前の授業を終え、お昼はどこで食べようかと思いながら自分で作った弁当を片手に廊下を歩いていた。朝はサンドイッチ一個とコーヒー一缶しかお腹に入れていないため物凄く優磨は腹が減っていた。
図書室で食べようか、いやいや校庭のベンチで食べようか・・・と歩いていたら。
「ひっぐ・・・ぐすん」
と人の泣く声がした。
声がする方を見ると「新聞部」と書かれた札が目に入った。まさかと思い部室のドアを開けたら「フランダースの犬」を見て泣いている矢野未来が目に入った。
「あ、優磨さん・・・」
と言って後ろを向き手で目をこすっていた。
「かわいい女の子の涙を見るなんてサイテーです」
「誰がかわいい女の子だ、それに俺は見たくてあんたの涙見たわけではない」
「じゃあ、何で目を逸らさないんですか!」
「それは人の勝手だ。」
「う〜〜〜。」
いま、優磨と話しているのは矢野未来、元気で活発なかわいい女の子(自称)
だが裏では小は学校全員のテストの成績、大は理事長先生方全員の不祥事まで知らない事がない物凄い少女。
敵に回すととんでもなくおそろしい。
「それで、何のようなんですか優磨さん」
「別に用はない、ただ人が泣く声がしたからなんだと思って入っただけだ」
「本当にそんな理由ですか〜〜?」
と言いながら優磨に近づく。
「本当だ」
「それを証明できる物は?」
「そんな物あるわけがない」
「じゃあ信用しません、優磨さんが私のダイヤよりも高価な涙を見たくて見たという風に解釈せざるおえませんね〜♪」
はぁ〜とため息をつき「どうすればいいんだ?」と聞いた。
「そうですね〜日ごろ感謝を込めて「いつもありがとう未来ちゃん、代わりに毎日おいしいお弁当を作ってきてあげるよ」と言ったら信じましょう」
「いやだ、お前にそんな事言うなら俺の味が分かるサルにでも食べさせた方がマシだ」
そういった瞬間に未来が優磨にパンチを仕掛けてきた、それをひょいいと交わしたその時・・・・・・。
「キャーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
と言う耳をつんざく断末魔が聞こえた。なんだと思い優磨と未来は聞えた方へと走った。聞えたその先には女性がお尻から倒れこんで部屋の方を指を指していた。指していた方を見ると口では説明できない情景が目に入った。人が倒れていて頭から血が出ていた、優磨は部屋の中に入り倒れている人の手首に人差し指と中指を押し当て脈を図った。すでに事切れていて脈がなかった。
「未来、すぐに救急車と警察に電話だ」
「は、はい!」
未来はその情景に動揺していたのか裏返った声で返事をし携帯で警察に電話をした。





夕方の午後4時50分・・・料理雑誌を見ながら優磨は未来と一緒に部室に居た。
昼の事件があり午後の授業は全てなし、学校の生徒はみんな下校をさせたのだが優磨と未来はそれをうまくやり過ごし今ここに居る。
「ひ、昼間はすごかったですね。優磨さん」
昼の事が余程あれだったのか声が震えている。
「ああ」と適当に返事をして料理雑誌に目をやった。
「もうっ!そんなあいまいな返事をしないで下さい!」
そう言いながら優磨持っている雑誌を取り上げ怒った顔で優磨をにらんだ。
「あ、なにをする!」
「優磨さんはなんとも思わないんですか?」
「別になんとも思わない。もともと無関心だ」
と言って未来が取った雑誌を取り戻し目を落とし読み始めた。
「アンタはどう思っているんだ?」
「わ、わたしは・・・」
どうせなんとも思ってないのだろうと優磨おもい、料理に使う材料の欄を見ながらそう思った。
「私は、感動と希望に満ち溢れています!」
「ハァ?」
こいつ昼間の事で頭でも狂ったか?と優磨は思い未来を見た。
「だってそうでしょ?誰も居ない密室の中で人が倒れている・・・。まるで推理小説のなかじゃないですか!?」
「ハァ?」ともう一度言った。
「そうだ!私達でこの事件解決しましょうよ!」
「は?何で?俺たちには何の関係もないだろう」
「早速情報収集です!急いで調べなきゃ!」
とおもむろに自分のカバンを手に取りドアを開け走って帰ってしまった。
「おい!ちょっと待て!」と言ったはものの、恐らくまったく耳に入っていないだろう。めんどくさい事に巻き込まれたなと思い部室を後にした。 





To be cntinued・・・
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