事件から4日後昼の午後1時13分・・・優磨の自宅
事件から4日が過ぎそろそろ、犯人が捕まっても良いと思う今日この頃。優磨は自宅で、ソファに座り兄貴が送ってきたコーヒーを飲みながら料理の本を読んでいた。
読んでいるのは「コーヒーでおいしい料理を作ろう!」と言う本。
少々いかがわしい名前だが、なるほどと言う点がいくつもありなかなか良い本だ。まさか、飲むだけのコーヒーが色々な料理に活用されていて驚きだ。
だが、コーヒーの料理の本を読んでいるのに理由はある。
「なかなか良い味のコーヒーだ、お前らにもこれを飲ませたい。だからこれを送る。ありがたく思え、ハッハッハッハ。」と書かれた手紙と共にダンボール一個分のコーヒーが送られてきた。
手紙にはこう書かれているが、自分じゃ飲みきれないから優磨達に飲ませてなくそう、と言う思惑は見え見えだ。(まったく良い迷惑だ(優磨の心)
コーヒーは好きだが、さすがにそんなに飲めないから料理に使おうと言う事で読んでいる。
まったく、弟に嫌がらせか?嫌がらせだったら、帰ってくるなりコーヒーをこの倍にして飲ませてやる。と言う復讐心に優磨は燃えていた。すると・・・。
ピリリリリリリリリリリ
リビングに電信音が響く。
何かと思い本から顔を上げる、鳴っているのは電話だった。
棚に置いてある電話を取り受話器を耳につける。
「もしもし」
「もしもーし!!優磨さん居ますかーー!!」
道路工事並みのうるさい声に思わず受話器を耳から放す。嫌がらせか?そう思いながら受話器に目をやると、「もしもし?あれ?返答がないな、もしもーし」とうるさい声が耳に響く。このまま電話を切りたいが、切ると秘密をバラされそうなので受話器をもう一度耳につける。
「うるさいぞ、近所迷惑だ」
「あ、やっと返答があった。優磨さんですか??」
「そうだ」
「あ、優磨さん?よかったー話があるんです。」
「話?」
どうせろくでもない話なのだろう、と思いながらも未来の話を聞く。
「あのですね、少し付き合ってもらいたいんですが・・・いいですか?」
「は?何言ってるんだ、お前にそんな気はないぞ」
「ち違います!決してそんな気持ちで言ったんじゃありません!(ちょっとあったけど・・・。ボソ)
「なんだって?」
「いえ、なんでもないです。じゃあ本題に入りましょう」
「手短にしてくれ、暇じゃないんだ」
「はい、じゃあ率直に言うと間宮さん達に今回の事件の事で事情聴取をしようかと思って」
「は?」
思わずあっけない声を出してしまった。警察でもあるまいし何言ってるんだ?
「なぜに?」
「それはですね、やっぱり事件の事は容疑者の人たちに聞くのが一番じゃないですか」
「まあ、一理あるな」
「でしょー、だから聞こうとおもってます。だから優磨さんも一緒に・・・」
「嫌だ」
「あ、そんな事言っていいんですか?言っちゃいますよアレを」
「わかった。行くよ」
答える速さ0・3秒、危なく最高記録に並ぶところだった。
「じゃあ、明日の午前10時に駅前に来てください、でわ♪」
プツッ
ツー
ツー
ツー
この間優磨は、「嫌がらせだ、絶対に嫌がらせだ」と思っていた。今日この頃であった・・・。
事件から5日後午前10時45分・・・天見はるか自宅前
優磨は、今天見はるかの自宅の前に立っていた。容疑者の天見に事件のことを聞くためにいる。普通は知らない先生の家、どうして天見の住んでいるところを知っているか、何で事件について質問が出来たのかと聞いたところ、「女性に秘密はつき物です」と意味不明な言葉で返された。ここで「教えろ」と言うと後が怖いのでやめた。電車に揺られ5分家に着くまで徒歩で35分、かなり遠かった、家に着いて息が少し切れそうだった。(未来以外は)
そして着いたのが天見はるかの自宅。外観は、住宅街にある一般の家、色は薄いグレーでいい感じの家。だが、庭はある物の草木は何も置いてなく芝生すらひいておらず地面が丸出しだった。(汚いな(優磨の心)
「さて、来たのはいいんだがアポは取ってあるのか?」
「はい、その辺はばっちりですw」
「よし」
優磨は、門の近くにあるインターホンを鳴らす。そして、ガチャっと音が鳴りながらドアが開いて天見が出てきた。
「あら、いらっしゃい。さ、入って」
どうやらアポ取ったのは本当のようだ。
手招きされて、天見の自宅の中に入った。リビングに案内されて、恐らくお客様用の椅子ソファに座った。
「今、お茶持ってくるから待ってて」
そう言ってリビングから出て行く。暫くして、お茶とお菓子をもって来た。
「お時間をさいてもうしわけありません」等と軽く挨拶してお茶を一口飲む。うむ、悪くない。
「さて、これから事件の事についていくつか質問をします。いいいですか?」
「え、ええ」
「あ、ちょっと待ってください」
そう言って、未来はカバンからゴソゴソとマイクを出した。ここで何を持ってきてんだと言うと脅されそうなので、無視をした。
「質問を始める前に、答えたくないもの別にいいです。でも、なるべく答えてください」
「は、はい」
「じゃあ、質問をします。まず安部さんが居なくなった時どうして探そうと思わなっかったんですか」
「・・・それはその」
「それは?」
「私こう見えても根に持つんです」
「ということは?」
「事件の前の日、小さな事でケンカをしてしまってそれが許せなくて・・・」
「なるほど」
「じゃあ次に、事件が起こった日あなたは何をしてたか答えてください」
「その日は残業で夜の2時まで残ってました。その時は間宮先生も残ってました。芳樹も残ってました」
「安部先生と間宮先生は何か不振な動きなどしてましたか?」
「いえ、覚えてません」
「安部さんを発見した日なぜ資料室に向かったんですか?」
「校長にいらなくなった資料を資料室に置いてきてくれと言われたからですね」
「そうですか、では事件の時になにか大きな物音を聞きましたか?」
「いえ、別に・・・」
「じゃあ、現場に落ちていたこの凶器に見覚えはありますか?」
「・・・いえ、見た事ないです」
天見に写真を見せ、指を指す。
「じゃあ、事件の時資料室に入りましたか?」
「いえ、入ってません」
「じゃあ最後に、誰が犯人だと思いますか」
「さぁ、わかりません。でも、私は犯人じゃありません」
「わかりました」
これで質問が終わった。ふぅーとため息をつきぬるくなったお茶を飲む。味が落ちたな。質問した答えなどを頭の中で整理しながらお茶を見る。そして、あることに気付いた。
(もしかして明日は間宮のとこにいくんじゃ・・・)
恐らくこの予想は当たりそうだ。
(はぁ〜。疲れる)
To be cntinued・・・
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