午後8時48分・・・・・・・・楽屋
そろそろ、良い子の子供達は眠くなりそうな今日この頃・・・・。
優磨と未来は、警察に待機してろと言われた楽屋にいて長い足を組みながら机に置いてある紙を見ていた。
この、QZVBと書かれたメモ用紙。これは、西園寺鉄文が残したと思われるダイイングメッセージを写し取った物だ。なぜ、これをと解こうとするのか、だったら刑事みたいに聞き込み目撃証言犯人が残した証拠を手に入れ提示したほうが簡単ではないのかと思う人がいるはずだ。それをやらない理由は、簡単に言うと聞き込みなどをするのが面倒くさいからだ。
テレビとかで見ていると簡単に情報を教え、簡単に証拠を手に入れるが実際はそうはいかない。実際は、時間と金と努力が必要なのだ。つまり情報を提供する人と、情報を必要とする人との取引が必要なのだ。提供する人にある程度お金の金額を出し、情報を手に入れる。だいたいはそういう風に手に入れる場合が多い。情報を提供する人は「こいつらは私の情報が必要だ」と思いだったら金払え、と刑事に言う場合がある。その時のためにこの方法が適用されるのだ。そして、お金をあまり出したくない刑事は何とかお金を払わずに交渉するのだ。時間と努力が必要になりやっとの思いで刑事達は情報を手に入れるのだ。そんな事をしたくない優磨は、簡単に犯人が特定できるようにこの、ダイイングメッセージを解くのだ。これさえ分かれば犯人を絞り込め、なおかつ時間が削減できるからだ。そいつに関係する情報を集め証拠を集め提示するこんな簡単なことはないのだ。
これによって二人は今に至る。
「何か分かったか?」
「いえ、まったくです」
「そうか・・・・」
他愛も無い会話をし、二人は怖い顔をしメモ用紙をみた。すると、考えてから数分した時未来が席を立った。
「どうした?」
「これ、私には向いてません」
「はぁ?」
「優磨さんは、これを解くのに専念して私は聞き込みと目撃証言を聞き出してきます!」
そう言ってとたとた、と楽屋から出って行った。優磨は立ち上がり止めようとしたが呆れて声が出ず追う気もなくなった。はぁ〜と溜息をつき椅子に座った。そして、メモ用紙に目をうつす。
「・・・・・まったく。もっと分かりやすいメッセージを書け。解く側の事を考えろよ」
そう呟き、優磨も部屋から出た。向かった先は、先ほどいた鉄文の部屋だ。黄色いテープをくぐり部屋の中へと入った。部屋は先ほどと変わらず血が吹き飛びシミがついた床、QZVBと出ているパソコン画面。まったく変わっていない。
優磨は、パソコンが置いてある机の前に来た。数秒、パソコンの画面を見てキーボードを見た。
キーボードには、血痕がついていた。恐らく鉄文の物だろう。血痕がついていたのは、案の定「Q」「Z」「V」「B」の所についていた。優磨は、それを数分見ていた。
「・・・・・・・・・・煤I!」
何かに気付いたのか急に顔を上げ、手を顎に当てた。ボソボソと何か喋っているが周りには聞えない程度の声のようだ。そして、顎から手を離すと。笑みを浮かべた。すると、部屋に未来が入ってきた。
「ハァ・・・ハァ・・;;ゆ、優磨さん。何でこんな所にいるんですか;探しましたよ?」
「あぁ、悪い」
そう言って、優磨は未来の方を向いた。未来はメモ用紙を持ち息を切らしていた。未来は、深呼吸をし息を整えると優磨を見た。
「で、成果は?」
「私の気遣いより情報の方が大事ですか。まぁ良いでしょう。成果はまぁまぁってところでしょうか。良くも悪くもありませんね〜」
「そうか・・・・」
「優磨さんの方は?解けましたか、暗号の方は?」
「あぁ、絶対のとは言えないがこれであってると思う」
「え!本当ですか!」
そう言って、未来は優磨にかけ寄った。
「それで、それで!お答えは何に、そして犯人は!?」
「一応犯人として仮定しても良いが、もしかしたら違う可能性があるから今はいえない」
「何故ですか?ダイイングメッセージに書かれていることは絶対に犯人の名前ですよね」
「もしかしたら、犯人が誰かに罪を着せようとして犯人が書いた可能性だってある。だから、断定は出来ないし合ってるかどうか分かったら教えてやる」
「えぇ〜〜〜!おしえてください〜〜」
「聞いてきた物を教えてくれたら、答えを教えてやる」
そう言うと、メモを見て咳払いをして口を開いた。優磨は、ポケットに右手を入れ未来を見た。
「えっとですね、まず事件当時のアリバイを言いますね。まず、佐野満さんのアリバイは「私は、コンサートが終わった後スタッフに片付けの指示をしていました」と言ってましたその時の証言も得ました。次は西園寺亮子さんのアリバイですね。「私は、コンサートが終わった時疲れたからすぐに部屋に向かいました」と言ってました。その時の目撃証言も得ました。次は、赤坂加奈子さんですね。「私は、亮子さんの演奏を見た後すぐに亮子さんの楽屋に行きました」と言ってました。その時の目撃証言を得ました。次は、田宮竜彦さんですね。
「俺は、演奏を見た後にすぐに亮子の部屋に向かったよ」と言ってました。その時の目撃証言も得ました。ふぅ〜〜〜〜」
容疑者のアリバイ、それを証明する目撃証言を全て喋ると息を吐いた。手を顎に当て考えていた。
「なるほど、他に怪しい人物とかの目撃証言は?」
「いえ、特にありません」
「そうか。ありがとう、これでだいたいそろったな・・・」
「さぁ、約束通り犯人の名前を教えてください!」
「・・・いや、まだまだ。これだけでは、合ってるとは限らない」
「えぇ〜〜〜!」
未来は、手を優磨の肩に乗せうなだれた。優磨は、手を払いのけ手を顎に付けると難しい顔をして考え事をした。払いのけられた未来は溜息をだし、「この、冷血男」と呟いた。
「さて、次は証拠を探したいがもうそろそろ警察が来そうだ。そろそろ戻るぞ」
「はーーーーーーーーーい!(怒)」
怒った声で返事をし、未来と優磨は部屋を出て部屋から出て楽屋へと向かった。
数十メートル真っ直ぐ歩き、左に曲がる廊下と真っ直ぐ行くT字路になり優磨は左に曲がった。そして、また数十メートル歩くと右の壁に部屋のドアがあった。亮子の楽屋だ。そこを、通ったそのとき優磨は急に立ち止まった。後ろからついて来た未来は優磨の背中に顔をぶつけた。顔をおさえた。
「〜〜〜ッ〜〜〜〜〜〜!急に止まらないで下さいよ〜」
「・・・・・証拠見つけたぞ・・・・・・」
「へ?何言ってるんですか?殴られたくないからってそんな嘘はやめてください」
そう言って、未来はもぅ〜と言いながら優磨の前に行き先に行ったが優磨がついて来ない事に気付き後ろを向いたら、優磨の姿がなかった。未来は、もと来た廊下を戻り優磨を探した。
見つけた場所は、先ほどいた鉄文の部屋にいた。優磨は、血痕のついた床を見ていた。
「まったく〜ついて来てないと思ったらこんな所にいたんですね。さ、早く帰りましょう。証拠探して、早く犯人捕まえましょう」
「その必要はない」
そう言って優磨は立ち上がり未来を見て微笑んだ。未来は「何言ってるんですか〜」と言い怒った表情で優磨をみた。
「そんな嘘をつかないで下さい。早く証拠、見つけましょう!」
「だから、証拠はもう見つかった。犯人を追い詰める決定的な証拠をな」
「え〜〜〜!!」
「さぁ行くぞ。早く捕まえて、風呂に入って早く眠ろう」
そう言って、部屋から出て行った。未来は、優磨の言葉に言葉に驚き思わず優磨を見送ってしまった。それに気付き、急いで優磨の後を追った。
「待ってくださいよ〜〜〜!あ!あと、ダイイングメッセージの答え〜〜〜!!!」
To be cntinued・・・・・・・・
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