第一章「日常は幸福」
奴等は突然やってきた。
僕達が…いつもの様に遊んでいたあの日。
全てを壊しにやって来た。
その凶悪な力で…木々を引き裂き
コラッタやビードルを手に掛けた。
当然僕達、トキワの森の住民は抵抗した。
けど…奴等の前では無力だった。
完全な無力。
トキワの森の住民達は…僕を含め、全員手も足も出せなかった。
パパのサイドンは…その屈強な身体を粉々に砕かれ、
ママのピジョットは…その気高い翼をズタズタに引き裂かれた。
僕と、相棒のピカキチも奴等に立ち向かった。
只、大切な人を護りたい一心。
理屈なんてなかった。
勝てる訳が無いと解っていながら、
僕とピカキチは奴等に立ち向かった。
ピカキチは、奴等の攻撃で倒れ伏し、
僕は奴等の斬撃をまともに受け、
地に膝を付いた。
薄れゆく意識。
眼前に映るは絶望。
壊されてゆく日常。
無力な僕。
只、眼前の絶望が身を震わせた。
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