序章「地球の王 携帯獣」
新世紀20××年。
一昔前のこの世界では、人間とポケモンが互いに共存し合い暮らしていた。
人間は知能でポケモンをサポートし、
ポケモンはその力で人間をサポートする。
その関係は、主従と言っても足りなく、
互いの為に手を組むと言ってもまだ足りない。
――仲間。
種族を超えた友情、信頼…そう。ポケモンと人間は、種族関係を超えた
「仲間」であった。
互いに成長し、高めあっていく仲間として、人間とポケモンは生きてきた。
時には喧嘩をしたり、
時には慰めあい、
時には一緒に戯れたり。
そうして、人間とポケモンの関係は良好に続いていった。
だが…………。
おっと。話が長すぎたな。スマンスマン。飽きたろ?
俺の名前は、オーキド ミドリ。華の18歳。
この新世紀の世代には珍しい、れっきとした人間だ。
何でも俺の祖先は偉い研究者だか何だか…ま、どうでもいいよな。失礼。
この新世紀…つまり俺達地球の王者・人間がすっかり影を潜めちまい、
代わりにポケモンが地球の王者として君臨する世界。
通称「ポケモン ワールド」へようこそ。
この世界には、元々の人間界と同じく、政治や軍と言った物が存在するんだ。
そういうのをまかなっているのも、全てポケモンなんだよね。この世界では。
…ん?ポケモンが政治活動出来るハズ無ぇってか?
うん。普通そう思うよね。俺も最初思った。
核心を突くと、ポケモンは厳しい環境に対し、
決定的な進化を遂げた。
「新生進化(ネオレボリュート)」。そのポケモン界の歴史を変える様な進化によって人間に近づき、
力や能力はポケモンのまま留めるという事で、
長い年月をかけ、ポケモンは決定的な進化を遂げた。
人間の知能に、ポケモンの能力。
生き残る為の最強の能力を、ポケモンは得たって訳さ。
…だが、有り余る力ってのは、いつの時代も悲劇を生む。
今回この外伝でスポットを当てるのは、そんなポケモンワールドを生きた一人の少年。
名はレイディオ・デ・トキワグローブ。
通称レイ。
別名「金色の護人」。
このレイは…文献によるとな……自分の…の為に…………ああもう。
古い文献なんでな。もうボロボロで読めないわ。
…この話は、ポケモンが世界を統治する様になる頃よりも、だいぶ昔の話だ。
護人と呼ばれた少年が、紡ぐ物語。
ポケモン ワールド 〜金色の護人〜
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